2012-01-01から1年間の記事一覧

運の総量に個人差はあまり大きくないと考えていた

運の総量に個人差はあまり大きくないと考えていた {同時代、同年齢で、ほぼ同じ生活環境で、優劣 の差にどのくらいの巾が、あるもんなんだろう なァ。俺の見たところでは、総合的な能力差は、 それほど、無いように思うんだけれどもなァ。} 竹内一郎著『ツ…

大仕事をした人は人生に一度や二度は大きな失策をしている

大仕事をした人は人生に一度や二度は大きな失策をしている {若い秀才など見ていると、全勝意識にとらわれ 過ぎてるように思う。もちろん負けた経験がな いからそうなるだろうが濃淡をつけるという感 覚は磨いておいた方がいいのではないだろうか} 竹内一郎…

勝負は“出る引く”を不徹底にしないことだ

勝負は“出る引く”を不徹底にしないことだ {ユニクロの経営で知られるファーストリテイ リングの社長・柳井正氏に『一勝九敗』とい う著書がある。積極果敢に、全勝を目指して 闘っても新商品の戦績は一勝九敗なのである} 竹内一郎著『ツキの波』(16) ◆◇◆…

読みに自信がある時とない時で、賭ける額を変える

読みに自信がある時とない時で、賭ける額を変える {相撲の例でいくと、白星は誰を相手に勝っても一勝は 一勝だから、勝ち越しが目標ということになってしま う。しかし、現実の場面では、一勝にも軽重がある。 だから、場合によっては一勝九敗でもよいこと…

人は勝ったり、負けたりを繰り返すものだ

人は勝ったり、負けたりを繰り返すものだ {本当に一目おかなければならない相手は全勝に 近い人じゃなくて、相撲の成績でいうと九勝六 敗ぐらいの星を、いつもあげている人だな。別 のところでは八勝七敗でも、いいといっている} 竹内一郎著『ツキの波』(…

おおよそ人のなすことには潮時というものがある

おおよそ人のなすことには潮時というものがある {ツキの語源には「月」が大きく関係していると 思われる。月は上代では、「ツク」と発音され たらしく、「憑く」とも同音である。もちろん 「付く」や「就く」であっても私の話したいこ とは同じである。何か…

学校では先生が努力の大切さを説くが、夢は叶うと

学校では先生が努力の大切さを説くが、夢は叶うと {結果がいいからといってそれが自分の手柄ではない。 ツキに後押しされただけのことだ。結果が伴わなく ても、それは努力が足りないという理由だけではな い。今はツキがないのだから上昇運が来るまで我慢 …

一生幸運だけの人も居ない。不運だけの人も居ない。

一生幸運だけの人も居ない。不運だけの人も居ない。 {メジャーリーグで、まるで機械のように安打を製造 するイチロー選手にも調子の波はある。彼のスラン プを「合理的」に説明しようとする解説者は、グリ ップの位置や、スタンスから分析しようとするが、 …

運と引き換えに金や名誉を得、使い果たした時に死ぬ

運と引き換えに金や名誉を得、使い果たした時に死ぬ {素っ堅気だろうと渡世人だろうと、この世には、 ただ儲けってものはねえ。一膳の飯でも、銭出す か、誇りを捨てるか、大切な血を売るか、何かし なくちゃあ手にすることはできない。早い話が、 一日生き…

遠藤周作氏や吉行淳之介氏ら第三の新人とほぼ同時代

遠藤周作氏や吉行淳之介氏ら第三の新人とほぼ同時代 {四十になって阿佐田哲也名で麻雀小説のブーム を起こし、四十代半ばから色川名で純文学を書 き始める。どちらの名前で書いても人の一生を ツキで見立てる人間観はまったくぶれていない} 竹内一郎著『ツ…

麻雀は男子大学生の「基礎教養」のような存在だった

麻雀は男子大学生の「基礎教養」のような存在だった {その分野で、阿佐田哲也の名前を知らない者 はいなかったと言ってもいい。しかし、近頃 は麻雀を出来ない人の方が多いと聞く。だか ら、私は『哲也 雀聖と呼ばれた男』を書く 際には、麻雀のルールを知…

「俺にゃァ自分の運の限界ってものがわかってる」

「俺にゃァ自分の運の限界ってものがわかってる」 {世間に目をやると、ツキに、後押しされて人気の 出た芸人や歌手、ベンチャー企業の経営者などの 「ツキの袋」が破れた瞬間を、いくつか思い出す。 ちょっと、前に手仕舞っておけば、あんな大火傷 を負うこ…

「タモリと一緒に飛行機に乗るのは危ないかな?」

「タモリと一緒に飛行機に乗るのは危ないかな?」 {その頃のタモリさんは、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。 阿佐田は、「だいじょうぶだと思う」と答えている。 タモリさんは「なんとなく不充足な点があるから」 と。水面下で屈託を抱えている感じがある、とい…

今年死ぬ有名人、それも五十歳以下の人でという賭けをやった

今年死ぬ有名人、それも五十歳以下の人でという賭けをやった {なんと、阿佐田さんが、『力道山』と言ったのである。 理由は『屈託なく昇りつめる人は折れやすい』という 意味のことだったと思うが、その年十二月、本当に、 力道山はキャバレーで刺されて死…

長い間生きていると、調子の良いときと、悪いときがある

長い間生きていると、調子の良いときと、悪いときがある {作家や歌手が、ポンポンとヒットを連発する 時期もあれば、いい作品を発表しているにも 拘らず、ヒットに恵まれないに時期もある。 周囲を見渡せば、誰にも思い当たることだ} 竹内一郎著『ツキの波…

悲運の事故だった。向田さんご本人には非は何もない。

悲運の事故だった。向田さんご本人には非は何もない。 {名前を出してわるいんだけれども、向田 邦子さん、仕事に油が乗り切って、書く 物皆大当たり、人気絶頂、全勝街道を突 っ走る勢いだった。それで、飛行機事故} 竹内一郎著『ツキの波』(3) ◆◇◆立ち読…

何故、あの人にはツキがあって、私にはないのか

何故、あの人にはツキがあって、私にはないのか {ツキと呼ばれる現象を風、人間を帆船に、見立てるとわ かりやすい。帆船は、風を支配することはできない。だ が、風という現象はあるのだから、風を上手に利用する ことを考える。同じ風向き、同じ風速の風…

運という言葉は、非合理な概念である

運という言葉は、非合理な概念である {私の知っているかぎり、運という言葉を持 っていない言語はない。何がしかの現象、 傾向がこの世にあって、それを伝達しなく てはならない必要性があるから、その言葉 は生まれ世界中に定着していったのである} 竹内…

私は英国へ単身戻って来て二十三年が過ぎた

私は英国へ単身戻って来て二十三年が過ぎた {英国で、年金を支給される年齢に なり、まだ、このように文を書い て日を送っている} 高尾慶子著『外国の男と結婚した日本の女たちの話』(80、了) ◆◇◆立ち読み◆◇◆ ☆鈴木智彦『ヤクザと原発 福島第一潜入記』…

四条河原町で占い師に二人の手相を見てもらった

四条河原町で占い師に二人の手相を見てもらった {その占い師は「西洋人と日本人なのに、二人の手 相の相性は鏡を合わせたようにぴったりの相性で、 たくさん手相を占ってきたが、こんなに完璧な相 性は初めてだ」と言われたが、私たちは離婚した} 高尾慶子…

だから言ったでしょう。広子さんは演技してたのよ。

だから言ったでしょう。広子さんは演技してたのよ。 {私とボーイフレンドは高知からバスに乗って松山へ行き、 松山のバスのターミナルで、待っていた広子さんに再会 した。広子さんは長かった髪を少し切り、三つ編み一つ のお下げにして、驚いたことに、ロ…

接待と称して昼間から、シャブリだ、シャルドネだと

接待と称して昼間から、シャブリだ、シャルドネだと {それまでふんぞり返っていた証券会社のエグゼクテ ィブは黙り、接待中の日本から客三人が、思わず大 声でワッハハハと笑った。その証券会社は、二年後 にバブルが弾けて日本へ引き揚げていった。むろん…

隣に引越してきたスイス人といつか恋人同士になった

隣に引越してきたスイス人といつか恋人同士になった {離婚が正式に成立したので、その若い彼と四国を一周 することにした。神戸から太陽のマークの付いたフェ リーで、高知へ着いた。初めて、乗った日本のフェリ ーの内部は、ヨーロッパのフェリーのように…

京都から、広子さんとスティーヴは松山に着いて、

京都から、広子さんとスティーヴは松山に着いて、 {その後、二人は松山に着いて、すぐに、広子さ んの父親が亡くなって、広子さんの兄、妹、そ して、広子さん自身も継母を追い出して、松山 市内目抜き通りにあった化粧品の店をたたみ、 父親の遺産を分け合…

離婚で夫への演奏の依頼はなくなってしまった

離婚で夫への演奏の依頼はなくなってしまった {私が正式離婚を迫り、英国の法律どおり、二年間の 別居が続くと、自動的に離婚は成立した。私の夫は 元夫となり、日本からついてきた女と、改めて結婚 したが(彼女の滞在ヴィザのため)、仕事のない彼 と英語…

三ヵ月後にロンドンへ戻って来るのでしょう

三ヵ月後にロンドンへ戻って来るのでしょう {こうして私は広子さんと別れた。京都へ 帰った私への知らせは、夫は日本から女 を連れてロンドンへ帰り私の確保してお いたフラットへ女と住み始めたとか……} 高尾慶子著『外国の男と結婚した日本の女たちの話』…

「慶子さん、これ読んでくれる?」

「慶子さん、これ読んでくれる?」 {私もそれを受け取り、封筒から手紙を取り出 した。裸電球の下で私は読み始めた。一目で アメリカ人とわかるスペルの書き方、初めに、 「 Dearest HIROKO」と書いてあるのも、とて もアメリカ人、英国人は普通「 Dear 」…

アーニーは広子さんと結婚してニューヨークに住むべきだった

アーニーは広子さんと結婚してニューヨークに住むべきだった {アーニーはアンヌマリーに会って物質的に不自 由しない生活になったけど、広子さんと一緒に いたときが一番幸せ、安心というか落ち着けて いたんじゃないかなあ。私はそう感じたけどね} 高尾慶…

日本から持って行った正露丸もムヒもまったく効果がなく

日本から持って行った正露丸もムヒもまったく効果がなく {私は、カルカッタ到着のあくる日から真っ黒の 水の便が出て腹痛で苦しみ、腕と足は蚊とぶよ に噛みまくられ、足は毛糸の長靴下を履いたよ うに、両腕は毛糸の長手袋をはめたように膨れ 上がり、真っ…

建物の表には、門番が制服を着て立っていて、

建物の表には、門番が制服を着て立っていて、 {そこを通り抜けると、これがインドの家かと疑いた くなるような広いフランス窓のある部屋が、三つも 四つもあり、どの部屋もアンヌマリーがデザインし たに違いない素敵なインテリアで、私は羨ましかっ た。こ…