仲がよくなった勝間和代さんはネットの申し子のような人だ 【親切な彼女は、いろいろ私の相談にのってくれ た。「マリコさん、今の世の中、ネットを活用 しなくちゃダメですよ。必ず取り残されます」 「でも、私、パソコンが使えないの」「……」 孫さんと同じ…

私はパソコンを使わない、原稿はすべて手書きである 【この方がずっと早い。と、今は居直ってい るが、ちょと前まで悩んだりもした。「こ れではあまりにも時代遅れではないだろう か。若い時には意外とか、お茶目にも聞こ えたかもしれないが、今ならメカ音…

私は数学が出来る人を尊敬し「結婚するなら理系のヒト」と 【授業についていけなくなり、ドロップアウトを 余儀なくされる高校生のことが話題になるが、 私はそれは数学が原因ではないかと思う。国語 ならどんなに勉強しなかったコも日本語がわか れば三割は…

悪いけど、私の代わりにこの試験やってくれないかしら 【「えー、私がですか」「そうだよ。あなた、 確か慶応出てるんでしょう。だったら、出 来るわよ―」「ハヤシさん、私が大学出た の、何年前だと思ってるんですか。二十年 前ですよ」というやりとりが、…

高校時代、夢でうなされるぐらい嫌いだった数学 【話は少し前にさかのぼる。新聞の連載小説を書 いているのだが、そのヒロインに医大受験をさ せることにした。高校を卒業し、バイト生活を していた女の子が一念発起して医大に挑戦する というあらすじ。「そ…

ボローニャで一泊して次の日はヴェローナの街が待っている 【シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の舞 台になった街だ。なんと一世紀につくられた石の アリーナが、今でも野外劇場として活用されてい る。今度の演目は「トスカ」。「本当はさ、『ア イ…

ペーザロで三泊した後、再びバスでボローニャへ 【旧市街の回廊のある建物を歩く。「なぜこ んな回廊が出来たかというと、ヨーロッパ 最古のボローニャ大学が出来た時、下宿の 部屋を増やそうとして、前に張り出して増 築したんだ。それが、この回廊になった…

毎夜毎夜、三枝さんの解説がつくのだから全く贅沢な旅行 【こちらのオペラは、夜の九時から始まるから、 食事はだいたい夜の十二時近くからだ。音楽祭 に合わせて、多くのレストランが相当遅くまで 営業していて、食べるところには困らない。が、 団長は、次…

三枝成彰さんを団長にして、総勢九人でツアーに出かけた 【まず成田からフランクフルトへ飛び、それから、乗り 換えてボローニャへ。ここからバスで三時間行ったと ころに、べローザという海沿いの街がある。ロッシー ニの生まれたところで、毎年夏には「ロ…

バブルというものがあった頃、よく海外取材に出かけた 【たいてい現地に着くと、日本人のガイドと、 運転手つきの車が待っていてくれた。五日 か一週間たって別れる時、私は現地のドラ イバーにチップを渡した。彼がうんと安月 で雇わているかあるいはすごい…

いやあ、僕の給料じゃ、“まい泉”なんか、行けませんよ 【車は東京駅八重洲口に着いた。料金は三千四百五十 円だったのではないかと思う。お昼の話を聞いたば かりだったので、私は四千円差し出す。「お釣りい りません」かなり大盤振舞いだ。が、その運転手…

うちの夫は、タクシーの運転手にとてもやさしい 【タクシーに乗ると、まず財布を開き、どのくらい余計 に払おうかと考えるのが、もはや私の習い性になった。 千七百円ぐらいだと二千円払う。千二百五十円だと、 千円札一枚と五百円玉をひとつ。しかし十円や…

国宝級のゴブラン織りや、ペルシャ絨毯、豪華な山鉾 【新しいところでは、人間国宝の描いた友禅染な どがかかっている。左甚五郎作といわれる鳩の 彫刻もある。こういうのは、みんな、町の人た ちの財力によってつくられ、守られてきたのだ】 林 真理子著『…