2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

私の人生を決めた『ドラえもん・のび太と鉄人兵団』

私の人生を決めた『ドラえもん・のび太と鉄人兵団』 {きちんと意味がわかっていたとは思えないし、 物心ついて観返した時、初めて感動できたよ うにも思えるのに私は物語の中リルルが消え ていくところで、わぁわぁ泣いていたそうだ} 『ネオカル日和』〈著…

ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店)(3)

ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店)(3) {「いちどに道路全部のことを考えてはいかん、わかるかな? つぎのひと呼吸のことだけ、つぎの“ひとはき”のことだけ を考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。ひょっと気 がついたときには一歩一歩進ん…

ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店)(2)

ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店)(2) {モモの中で語られる時間とは、その「量」では なく「質」である。心を尽くして人のために何 かすることを尊び、大切にする。それは九歳の 日の私が胸うたれ、感動した姿勢だ。しかし、 大人の私にとっての時…

ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店)(1)

ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波書店)(1) {『モモ』は、人間から時間を盗んでいくという 不気味な泥棒「灰色の男たち」と、それに立ち 向かい、人びとに時間を取り戻そうとする少女 「モモ」との対決を描いた物語だ} 『ネオカル日和』〈著者〉辻村 …

一度だけ、死者との再会が叶うとしたら――

一度だけ、死者との再会が叶うとしたら―― {私の『ツナグ』という小説は死を扱った話で、 たった一人と一度だけ、死者との再会が叶う としたら――、というテーマ。その再会を仲 介してくれる存在の名前を“ツナグ”という} 『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(…

泣くように吐くように切実に本を読んでいたあの頃

泣くように吐くように切実に本を読んでいたあの頃 {若さは恥じの連続だから、感銘を受けた言葉を、 借り物なのに、自分の言のように振り回して悦 に入り、まさに“中ニ病”さながら、イタイほ どの必死さと想像力で読み込んだ。――その頃 の自分の様子を思い出…

本との出会いは、巡り合わせと運しかない

本との出会いは、巡り合わせと運しかない {世代も、歩んできた背景も違う著者の書いた作品 を、「自分のために書いてもらった」「私のこと が書いてある!」と、もちろんそんなはざずはな いとわかってはいるものの、“幸福に勘違い”し ながら自分だけのもの…

好きな戦国武将「武田信玄」

好きな戦国武将「武田信玄」 {その時に気づいた。私たちはどうしようもなく 山梨県民なのだと。だから私の好きな戦国武将 は「武田信玄」。それ以外の名前を答えようも のなら、申し訳なく、故郷の土がもう踏めない} 『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(2…

好きな幕末志士『伊庭八郎』

好きな幕末志士『伊庭八郎』 {一條和春さんという漫画家さんがいる。 美しい作画で独特の世界観を描く人で、 新作を読むたび、毎回激しいショック を受けた} 『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(23) 《2 おおむね本と映画の宝箱》から ◇私のお気入り◇ …

好きな児童文学『ズッコケ文化祭事件』

好きな児童文学『ズッコケ文化祭事件』 {私は「子供が大好き! 彼らの発想や考え方って 大人にはないよね」とか 無条件に公言してしまう 人が怖い} 『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(22) 《2 おおむね本と映画の宝箱》から ◇私のお気入り◇ 好きな児童…

最も好きなドラエモン映画『のび太のパラレル西遊記』

最も好きなドラエモン映画『のび太のパラレル西遊記』 {大学生の頃、どうしようもないくらい気持ち が落ち込んだことがあって、廃人寸前なった。 小説を書くことはおろか、学校も行く気がし ないし人に会いたくないし食べる気も眠る気 もいないで、ただベッ…

スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」(EMI)下

スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」(EMI)下 {土手に座り、また音楽を聴く。私にかけらる言葉 なんて何もなくて、ただできることといえば、知 らないふりをすることだけ、聞かないことだけだ った。彼女も私に家族のことは何も話さなかった} 『…

スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」(EMI)上

スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」(EMI)上 {さっちゃんは華やかな子で、いつもきれいな格好をし て、いろんなものを持っていた。当時の田舎の中学生 には贅沢な持ち物だったポータブルCDプレイヤーを 持っていて、それでいつも、彼女の大学…

『世界最速のインディアン』(監督・ロジャー・ドナルドソン)下

『世界最速のインディアン』(監督・ロジャー・ドナルドソン)下 {惚れた。信じた。追いかけた。映画のキャッチコピ ーの、まさにそのもの。憧れの大地に降り立ち、早 朝の空気の中で太陽を見つめるバートの立ち姿は、 彼の感慨がつまってそれだけで涙が出…

『世界最速のインディアン』(監督ロジャー・ドナルドソン)上

『世界最速のインディアン』(監督ロジャー・ドナルドソン)上 {ニュージーランドの老年ライダー、パート・マーロン が、ライダーの聖地アメリカのポンヌヴィル塩平原で 世界最速の記録に挑むという物語。塩平原をぶっちぎ るスピードの美しさは予告編でだ…

ナリ・ポドリスキイ『猫の町』(群像社)

ナリ・ポドリスキイ『猫の町』(群像社) {ある日、人間が猫に襲われ、彼らから猫の インフルエンザのウイルスが見つかると、 人々は一斉に、残虐な猫殺しに走り始めた} 『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(16) 《2 おおむね本と映画の宝箱》から ◇猫の…