スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」（EMI）上
スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」（EMI）上
｛さっちゃんは華やかな子で、いつもきれいな格好をし て、いろんなものを持っていた。当時の田舎の中学生 には贅沢な持ち物だったポータブルＣＤプレイヤーを 持っていて、それでいつも、彼女の大学生のお兄さん の趣味だという洋楽のＣＤばかりを聴いていた｝
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(１９)
《２ おおむね本と映画の宝箱》から ◇『ｔｏｄａｙ』の記憶◇スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」（EMI）上
中三の秋、さっちゃんが突然転校することになった
◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆
●「補償というヤツは……被害が起きてからでは遅い」
◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆
●藤社長は社長留任工作を強く批判され、ようやく退任した
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(１９)
《２ おおむね本と映画の宝箱》から ◇『ｔｏｄａｙ』の記憶◇スマッシング・パンプキンズ「siamese dream」（EMI）上
中三の秋、さっちゃんが突然転校することになった
《「 Siamese Dream [Explicit Lyrics, Import, from US]・Siamese Dream・ ・Smashing Pumpkins （スマッシング・パンプキンズ）・ 先日、中古のＣＤ屋の洋楽コーナーで、ある 一枚を見つけた。スマッシング・パンプキン ズの「siamese dream」。 少女二人の顔がアップになったジャケットの 写真に記憶を刺激され、即決でレジまで持っ ていく。十数年ぶりに、中学時代の友達さっ ちゃんのことを思い出す。 さっちゃんは華やかな子で、いつもきれいな 格好をして、いろんなものを持っていた。 当時の田舎の中学生には贅沢な持ち物だった ポータブルＣＤプレイヤーを持っていて、そ れでいつも、彼女の大学生のお兄さんの趣味 だという洋楽のＣＤばかりを聴いていた。 その頃、さっちゃんといる時の私はいつも、 片耳にイヤフォンをはめていた。一つのプレ イヤーから音を分け合い、同じ音楽に右と左 で共有しながら、町で一番大きなショピング センターまで、土手の道のりを歩く。 中三の秋、そんな彼女が突然転校することに なった。クラスメートの噂話が聞こえる。 彼女のお母さんが、会員制クラブだかネズミ 講だかの詐欺で逮捕されて、だからさっちゃ んはこの町にいられなくなる。親が悪いこと をしてたから、だからあの子は華やかだった んだねぇ。 さっちゃんのクラスを覗きに行くと、彼女は みんなに囲まれて、糾弾されている真っ最中 だった。 ねぇねぇ、お母さん悪いことしたの？ わか りきったことを、クラスのリーダー格の女の 子が笑いながら何度も聞く。やめなよぉ、別 の子がにやにやしながら諌める。 」》
The Smashing Pumpkins - Today - Live
(ghstgrl さんが 2007/01/20 にアップロード) 【The Smashing Pumpkins - Today - Live】 ◎子どもにも残酷な一面があります。いじめ はなくならない。悲しい人間の性。 （つづく） (Y210-87)『ネオカル日和』
単行本: 280ページ 出版社: 毎日新聞社 (2011/11/25) 《待望の初エッセイ集！ 大好きがいっぱい！ 【ネオカルチャー】辻村深月が独断と偏愛で選ぶ日本の 〈今〉を象徴する、おもしろいもの、かわいいもの、お いしいもの、ヘンなもの、そんなものぜんぶ。 国民的マンガからパワースポットまで、“ネオカル” の現場を人気ミステリー作家が潜入！辻村深月のマニ アックなこだわりとキュートでトホホな日常を綴る初 ルポ＆エッセイ集》〔表紙帯から〕 〔目次〕 １ ネオカルチャー新発見 (支えは藤子・F・不二雄さんの人格 ドラえもん レッツ・のう能!のうのう能 ほか)２ おおむね本と映画の宝箱
(私をまっすぐ映すものオマージュのための ショートストーリー&エッセイ ほか) ３ 四次元の世界へ (あしたも、ともだち世界で一番好きなラブ ストーリー『パーマン』 ほか) ４ 特別収録 ショートショート&短編小説 (彼女のいた場所写真選び ほか) ５ 女子とトホホと、そんな日々 (a day in my life 私をハイにする…― ウッカリショッピング ほか) 〔著者〕 ☆辻村 深月(つじむら・みづき)☆一九八〇年ニ月ニ十九日生まれ。山梨県出身。千葉大学 教育学部卒業。二〇〇四年に『冷たい校舎の時は止まる』 で第三十一回メフィスト賞を受賞しデビュー。二〇一一 年『ツナグ』で第三十ニ回吉川英治文学新人賞受賞。他 の著作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』 『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』 『名前探しの放課後』『ロードムービー』『ゼロ、ハチ、 ゼロ、ナナ。』（第一四ニ回直木賞候補作）『V.T.R.』 『光待つ場所へ』（以上、講談社）、『ふちなしのかが み』『本日は大安なり』（以上、角川書店）、『オーダ ーメイド殺人クラブ』（集英社）『太陽の坐る場所』 『水底フェスタ』（以上、文藝春秋）など多数。新作の 度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者 からの熱い支持を得ています。
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(１９)
◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆
☆鈴木智彦著『ヤクザと原発 福島第一潜入記』文藝春秋刊☆(７)
《「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる！」 某地方の暴力団組長 −暴力団専門ライターが実際に動いたからこそ 書ける原発という巨大なシノギ− 「原発は儲かる。どでかいシノギだな。電力会社と交渉して、 ゼネコンと話付けて、地元の土建屋に仕事を振る。代紋な しではとても捌ききれん。原発はタブーの宝庫。裏社会の 俺たちには、打ち出の小槌となるんだよ」。ヤクザが語る 衝撃の事実。日本最大のタブーがいま明かされる！ ―誰も書けなかった 命懸けの衝撃ノンフィクション―》 【表紙帯から】・補償問題の代理人（その２）・
●「補償というヤツは……被害が起きてからでは遅い」
《「――親分が紙コップの酒を飲み干すと、テントを囲んでいる直立 不動の若い衆が動き、酒を注いだ。そのスピードは暴力団基準で中の 下、といったところだった。 「補償というヤツは……被害が起きてからでは遅い。漁ができなくな ったら、賠償金が降りるまで何年もかかってしまう。そんなことにな れば、普通の漁師は生活が成り立たない。 家や船、ＧＳＰや魚探など、先行投資した設備のローンは、どんなこ とになっても待ったなしだ。もし、原発から出る汚染で魚が獲れなく なったら立ち直れない。 だから先取りするしかない。それが生活の知恵、生きるための賢さだ ろう。これからのヤクザは喧嘩してても飯は食えない。ここだ、ここ の勝負だ。幸せは前借りして生きる。人間、誰だって明日死ぬしかも しれないんだから」 親分は利き腕の人差し指を使って、こめかめを数回叩く。神輿がテン トの間近までやってきて、話はここまでとなった。 取材を終えて自宅に戻ると、警察資料を当たった。親分の組織の欄に はその収入源について「密漁、人夫供給、土木建設業、芸能興行、外 車販売」とかかれており、たしかに覚せい剤の記載はなかった。 ――》ヤクザと原発 福島第一潜入記・文藝春秋 (2011/12/15) ・〈目次〉・ 序 章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」 第１章 私はなぜ原発作業員となったのか 第２章 放射能vs.暴力団専門ライター 第３章 フクシマ５０が明かす「３・１１」の死闘 第４章 ついに潜入!1Fという修羅場 第５章 原発稼業の懲りない面々 終 章 「ヤクザと原発」の落とし前 ・「シノギ（しのぎ）- 日本語俗語辞書」・ ◎やーさんにお説教をされるようになったら、お終いですが、やーさ ん顔負けのワルが日本の法曹界にいるようです。 ////////////////////////////////////////////////////////////////
◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆
☆佐藤栄佐久 (著) 『福島原発の真実 』(平凡社新書) ☆（５２）
《嘘と欺瞞のメルトダウン。すべての議論はここから始まる！ 国が操る「原発全体主義政策」の病根を知り尽くした 前知事がそのすべてを告発》【表紙帯から】▼△第８章 「日本病」と原発政策（７）△▼
・スケジュールありきの原発政策（その５）・
●藤社長は社長留任工作を強く批判され、ようやく退任した
《「――一「なぜ、いま決めなければならないと思ってるのかどうか。 住田さんだってですね」 「失礼だわ」とまた住田氏が言った。 「原子力委員会で、政策を変更した場合と、しないでいた場合のリス クがどうなるか、従来の原発を続けた場合とプルサーマルをやった場 合のリスクがどう違いかについて、説明はあったでしょうか。 住田委員が判断できる情報を徹底的に出せるのは、原子力委員会なの です。徹底的に議論を尽くさなければいけにのです」 木元教子委員は「今日の（話）はしっかり受け止めます」とひと言発 言した。 その後、関西電力の藤社長は、美浜原発の事故で総合資源エネルギー 調査会・事故調査委員会から二度も再防止策の書き直しを命じられ、 厳しい批判を受ける。 社長留任工作を経済界からも強く批判され、〇五年三月、ようやく退 任した。 木元委員はその後原子力委員を「休む」ことになったが、その際内向 きの姿勢が強まる原子力委員会のあり方を強く批判している。 ――》 福島原発の真実 (平凡社新書)・平凡社 (2011/6/23) ◎東日本大震災から１１日で１年になるのを前に実施された共同通信 の調査によれば、福島県から県境を越えて避難を続ける人たちへのア ンケートに対して、１８５人が回答し、その３６％の人が震災前に住 んでいた自宅に「戻りたくない」との考えを示し、東京電力福島第１ 原発事故による放射線への不安を訴える声が相次ぎました。≪都会歳時記≫
[都市・現代の視座１０００句]句集 古家 元「文學の森」刊]〔春〕動物 鳥雲に小さき町の書店閉づ
http://shop.bungak.com/products/detail.php?product_id=143◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆
アンブローズ ビアス (著)、Ambrose Bierce (原著)、 西川 正身 (翻訳)実利主義者(philistine n.)
その精神が生まれ合わせた環境の奴隷であって、 物の考え方、感じ方、さらには情緒の点に至る まで流行を追う人物。時に学識があり、しばし ば裕福であり、通常清廉で、つねに謹厳である。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)◎◆◎アートのたのしみ《英国篇》◎◆
ローレンス・アルマ＝タデマ“ピュリケの踊り”
（1869年・Guildhall Art Gallery, London, England） ◎この絵は、ローレンス・アルマ＝タデマの最初の妻ポー リーヌが２人の幼い娘を残して亡くなった年、1869年に、 ロンドンのロイヤル・アカデミー展に出品された作品。 「ピュリケの踊り」とは、ギリシャ神話のロイア戦争で、 ギリシャ側が勝利した際、ギリシャ軍の英雄アキレウス （戦争終結の時は故人）の息子ネオプトレモスが勝利を 祝って踊ったのに由来します。 ◇ローレンス・アルマ＝タデマ （Lawrence Alma-Tadema, 1836年1月8日 - 1912年6月25日） イギリス、ビクトリア朝時代の画家、ラファエル前派。 オランダ、 ドゥロンレイプ生まれ。1852年、アントワープの美術アカデミーに 入学。1863年、新婚旅行でポンペイへ旅行し、これを機にエジプト、 ギリシア、ローマの古代世界に関心をもつようになります。パリに 移住したのち、普仏戦争を逃れて1870年にロンドンへ渡り、73年に イギリスに帰化。1879年にはロイヤルアカデミー正会員。
Lawrence Alma-Tadema（フォト・ギャラリー）
(Accabadora さんが 2008/04/27 にアップロード) 【Music: Nuvole di Luce (Roberto Cacciapaglia)】
