2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

誓わずに願うことを「わがまま」という

誓わずに願うことを「わがまま」という 【われわれは誓わずに願うようになった。これ は堕落である。困ったことには、社会に依存 するばかりか、周囲の人々さえもみな社会に 一員であると錯覚して、あたりかまわず他人 に依存心を抱く人間が多くなった。こう…

星を見ながら口笛を吹く癖がある

星を見ながら口笛を吹く癖がある 【祖母が死ぬと、父は破産し、家族は離散した。 私は星を見ながら口笛を吹きは始めた。引き 取られた遠縁の家は武蔵野の雑木林と芝畑に 囲まれていて、空が大きかった。都会生れの 私はたちまちその星空に魅せられ、夜が更け…

法律は全能ではなく「礼」を失した者を罰する補助装置

法律は全能ではなく「礼」を失した者を罰する補助装置 【「礼」は退化を続けるのである。先の『史記』 の言に順えば、現代に生きるわれわれは未然の 前に禁ずるのことを忘れて、已然の後に施され る法律のみを社会の規範としてしまっている。 「法さえ犯さな…

「礼」とは社会を維持していくための生活規範の総称である

「礼」とは社会を維持していくための生活規範の総称である 【「礼」とは「法」が成立する以前の「社会秩序を 維持していくための生活規範」である。法律とは 国家権力による強制であるから、そうした確たる 権威の不在であった古代社会、もしくは権力は存 在…

日本の実力の源は大和魂ではなく世界一の民度にこそある

日本の実力の源は大和魂ではなく世界一の民度にこそある 【私は、たとえ読書という行為の衰退が世界の風 潮であるとしても、日本にだけは、あてはなら ないと思うのである。すべてが「読書人」であ るという矜りさえ捨てなければ、われわれは中 国人からもア…

日本は昔も今も、世界一の読書人大国である

日本は昔も今も、世界一の読書人大国である 【明治維新からほんのわずかの間に、欧州列強 に比肩する国家となりえたのも、第二次大戦 に奇跡の復興をとげたのも、最大の原因は国 民のほとんどが、十分に読み書きできるとい う、いわゆる民度の高さにあろうと…

中国語と日本語の違いは、決定的な難易度の差である

中国語と日本語の違いは、決定的な難易度の差である 【同じ封建社会であっても、かっての日本はよほど ましであろう。たとえば豊臣秀吉のように卑賤の 出自であってもチャンスを得て登用されるという 例はいくらでもあった。ことに幕藩体制が安定し てからは…

「読書人」の本来の意味は、「読み書きのできる人」

「読書人」の本来の意味は、「読み書きのできる人」 【漢語が抜群の表現力をもつ世界最高の言語である ことは言を俟たないが、あまりにも高度に完成さ れてしまったがゆえに、難しすぎて、識字率が低 く、十分に読み書きのできる人はそれだけでエリ ートとさ…

同じ日本語でも無形の会話は自然の成行きに任せるべき

同じ日本語でも無形の会話は自然の成行きに任せるべき 【親子が友人のようになり、職場でも世代間の遠慮がな くなり、男女の関係が同等になった結果、多くの人が 「自分の話すべき正しい日本語」を失いつつあるよう に思われる。やや古い例かもしれぬがいわ…

私は若者たちの言葉がけっして嫌いではない

私は若者たちの言葉がけっして嫌いではない 【全共闘世代の、理屈っぽくて感傷的な言葉 づかいよりもすぐれていると思う。巷間言 われるように、日本語が破壊されていると は思わない。世代には世代の言葉があって 当然であり、それが世代の文化であるから、…

生まれついての言葉を改めるのは実に難しい

生まれついての言葉を改めるのは実に難しい 【要するに「ねさよ運動」には当初から 無理があった。そのうち結果をみるこ となく、立ち消えになってしまったの は、けだし当然というべきであろう。 私たちは大切な言葉を失わずにすんだ】 浅田次郎著『ま、い…

東京の山の手言葉を標準語とする根拠は怪しい

東京の山の手言葉を標準語とする根拠は怪しい 【私が子供のころ、東京の小学校で、「ねさよ運 動」なるものが実施された。東京方言の特徴で ある「ね」「さ」「よ」等を、使わないように しようという運動である。つまり、それらの語 尾は下品だから、廃止し…

日本語はそもそも漢字も平仮名も縦に続くようにできている

日本語はそもそも漢字も平仮名も縦に続くようにできている 【漢字も平仮名も筆先を下に抜いて、次の字の一 画に繋ぐ。ところが横書きでは繋ぐべき場所に 文字がないので、いちいち筆先を結ばねばなら ない。そこで高等教育が普及した私たちの世代 からこのス…

日本語 読むときはタテ、書くときはヨコという不整合

日本語 読むときはタテ、書くときはヨコという不整合 【締切原稿を抱えて海外に飛び、機内でうっかり寝 てしまったので、チェック・イン待ちのホテルの ロビーで原稿用紙を開いた。ふと、頭をもたげる と、周囲に人垣ができていた。テーブルの上に拡 げた原…

万年筆で原稿用紙の桝目をセッセと埋めている自分が悲しい

万年筆で原稿用紙の桝目をセッセと埋めている自分が悲しい 【まことに信じ難い話だが、およそ五人に一人は「深い 浅いの浅」が通じぬ。さらに五人に一人は、書くには 書いても、「浅」の字のどこか一画が足らぬ。どうや ら日本人は日本語を書くことを忘れて…

男の蔑視によって「女」は「女性」という公的用語に

男の蔑視によって「女」は「女性」という公的用語に 【補足するに、私はさらりと書いた情婦や妾や 娼婦も、女が同じ女として否定すべき存在で はないと思う。もし、法に触れぬ人間を同じ 人間が忌避できるとするなら、その対象は、 合法的に人殺しのできうる…

もし私が近いうちに変死したなら、CIAの仕業である

もし私が近いうちに変死したなら、CIAの仕業である 【アメリカの常識はほとんど強制的に日本の常識と して採用される。かくしてわが国においても全然 必要のないはずの「女」の排斥運動が起こったの ではなかろうか。どうも日本固有の文化を破壊す る元凶…

近ごろ「女」という言葉を不用意に口にすると顰蹙を買う

近ごろ「女」という言葉を不用意に口にすると顰蹙を買う 【マスコミにおいても「女」は規制の対象である らしく、アナウンサーはことごとく「女性」と いう。ただし、おかしなことに犯罪者について は対象外で、たとえば「犯人は三十二歳の女で」 とアナウン…