モーリス・ルブラン『緑の目の少女』(ポプラ文庫)(3)

モーリス・ルブラン『緑の目の少女』(ポプラ文庫)(3)

{『緑の目の少女』の中で、ルパンはオーレリーに
 自らの正体を明かすことはない。穢れない彼女を
 徹底して守り通そうというその姿勢もまた彼らし
 く、数あるシリーズ中の恋の中でも、私はこのラ
 ブストーリーの結末が最も好きだ}
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(15)
《2 おおむね本と映画の宝箱》から ◇ミステリ好きの子供たち
モーリス・ルブラン『緑の目の少女』(ポプラ文庫)(3)

背徳と危険の匂いがする恋ほど魅力的なものはない

◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆

鈴木智彦著『ヤクザと原発 福島第一潜入記』文藝春秋刊☆(3)

▼△序 章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」△▼(3)
・田舎の人間は権威に弱い(1)・

●国のお墨付き、東大の偉い先生、原発夢工場だと思っただろう

佐藤栄佐久 (著) 『福島原発の真実 』(平凡社新書) ☆(48)

▼△第8章 「日本病」と原発政策(3)△▼
・スケジュールありきの原発政策(その1)・

関西電力藤社長は美浜原発事故後も電気事業連合会会長を続ける

『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(15)
《2 おおむね本と映画の宝箱》から ◇ミステリ好きの子供たち
モーリス・ルブラン『緑の目の少女』(ポプラ文庫)(3)

背徳と危険の匂いがする恋ほど魅力的なものはない

《「 ・緑の目の少女―怪盗ルパン (ポプラ文庫) ([る]1-8)緑の目の少女 怪盗ルパン全集シリーズ(8) (ポプラ文庫) 児童文学作家・砂田弘氏の文によれば、怪盗 ルパンシリーズの中でルパンを愛した女性に は、このオーレリーを含め、十六人にものぼ るそうだ。 女性が物語の鍵を握ることも多く、少女時代 の私は、そんな女性の一人になりたい、ルパ ンに守ってもらいたいと憧れながら本を読ん でいた。 単純な正論を振りかざすヒーロー像とは違い、 自分の中の正義に基いて行動するアルセーヌ ・ルパンは、多くの女性にとって、初めて出 会うダークヒーローなのかもしれない。 背徳と危機の匂いがする恋ほど魅力的なもの はない。 とはいえ、『緑の目の少女』の中で、ルパン はオーレリーに自らの正体を明かすことはな い。穢れない彼女を徹底して守り通そうとい うその姿勢もまた彼らしく、数あるシリーズ 中の恋の中でも、私はこのラブストーリーの 結末が最も好きだ。 祖父から受け継いだ莫大な財宝を前にしてオ ーレリーが取る決断も、大人になった今では、 子供の頃よりさらに感じ入るものがある。 子供時代のルパン対ホームズ論争の軍配がど ちらに上がったのかを、私は覚えていない。 それどころか、正直に告白すると、私は自分 がどちらの立場で論争に参加していたのかさ え曖昧なのだ。 それは、単に記憶が不鮮明だというわけでは なく、そのぐらい、私にとって、彼ら二人が 等しく身近なヒーローであったことの表れだ ろう。 ミステリ好きの子供で、ルパンとホームズの 洗礼を受けていない子供はいない。 私が子供時代を送った一九八〇年代を過ぎて も、今とこれからがそうであることを、そう した子供の一人として祈っている。 」》 ◎コミック版もあります。
アルセーヌ・ルパン 緑の目の少女 (コミック版ルパン&ホームズ)
アルセーヌ・ルパン 緑の目の少女 (コミック版ルパン&ホームズ)・ ◎ミステリは、時代を超え、年齢を超越して 永遠です。ミステリで興奮した子供時代の熱 い心を忘れたら、人間いけませんね。本文に 出てきた砂田弘さんもミステリをものにして います。
少女探偵事件ファイル (フォア文庫) [新書]
◇真理は中生学になろうとする年ごろ。身の まわりにおこる、友人や家族をまきこんだ事 件を、名推理であざやかに解き明かします。 だからといって、それを自分の手がらのよう に公表したりはしません。なるべくまわりの 人が傷つかないようにと、心やさしい気配り もわすれない少女探偵です。好評の『少年探 偵事件ノート』の姉妹編。小学校高学年から 中学生向き。 少女探偵事件ファイル (フォア文庫)Wikipedia:砂田弘・ ・モーリス・ルブランMaurice LeblancWikipedia:モーリス・ルブラン (つづく) (Y203-84)

『ネオカル日和』

単行本: 280ページ 出版社: 毎日新聞社 (2011/11/25) 《待望の初エッセイ集! 大好きがいっぱい! 【ネオカルチャー】辻村深月が独断と偏愛で選ぶ日本の 〈今〉を象徴する、おもしろいもの、かわいいもの、お  いしいもの、ヘンなもの、そんなものぜんぶ。  国民的マンガからパワースポットまで、“ネオカル”  の現場を人気ミステリー作家が潜入!辻村深月のマニ  アックなこだわりとキュートでトホホな日常を綴る初  ルポ&エッセイ集》〔表紙帯から〕 〔目次〕 1 ネオカルチャー新発見  (支えは藤子・F・不二雄さんの人格 ドラえもん  レッツ・のう能!のうのう能 ほか)
2 おおむね本と映画の宝箱
 (私をまっすぐ映すものオマージュのための ショートストーリー&エッセイ ほか) 3 四次元の世界へ  (あしたも、ともだち世界で一番好きなラブ ストーリー『パーマン』 ほか) 4 特別収録 ショートショート&短編小説  (彼女のいた場所写真選び ほか) 5 女子とトホホと、そんな日々  (a day in my life 私をハイにする…― ウッカリショッピング ほか) 〔著者〕 ☆辻村 深月(つじむら・みづき)☆ 一九八〇年ニ月ニ十九日生まれ。山梨県出身。千葉大学 教育学部卒業。二〇〇四年に『冷たい校舎の時は止まる』 で第三十一回メフィスト賞を受賞しデビュー。二〇一一 年『ツナグ』で第三十ニ回吉川英治文学新人賞受賞。他 の著作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』 『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』 『名前探しの放課後』『ロードムービー』『ゼロ、ハチ、 ゼロ、ナナ。』(第一四ニ回直木賞候補作)『V.T.R.』 『光待つ場所へ』(以上、講談社)、『ふちなしのかが み』『本日は大安なり』(以上、角川書店)、『オーダ ーメイド殺人クラブ』(集英社)『太陽の坐る場所』 『水底フェスタ』(以上、文藝春秋)など多数。新作の 度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者 からの熱い支持を得ています。

『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(15)

◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆

鈴木智彦著『ヤクザと原発 福島第一潜入記』文藝春秋刊☆(3)

《「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる!」   某地方の暴力団組長   −暴力団専門ライターが実際に動いたからこそ    書ける原発という巨大なシノギ−  「原発は儲かる。どでかいシノギだな。電力会社と交渉して、   ゼネコンと話付けて、地元の土建屋に仕事を振る。代紋な   しではとても捌ききれん。原発はタブーの宝庫。裏社会の   俺たちには、打ち出の小槌となるんだよ」。ヤクザが語る   衝撃の事実。日本最大のタブーがいま明かされる!   ―誰も書けなかった 命懸けの衝撃ノンフィクション―》   【表紙帯から】 
▼△序 章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」△▼(3)
・田舎の人間は権威に弱い(1)・

●国のお墨付き東大の偉い先生、原発夢工場だと思っただろう

《「――テントの脇に私のバイクが停めてあった。荷台にはビニール のゴミ袋に包まれたテントと寝袋がくくられている。野宿するくらい なら事務所に寝たらいいとの親分の申し出は丁重に断った。山間部に 向かって30分も走れば、町営の綺麗なキャンプ場があり、炊事場に コンセントがあって、ラップトップのパソコンも使える。 「原発って……安全なんですか?」 話をそらすために質問した。ICレコーダーは回してあった。喧騒の 中で上手く録音できるか不安でも、メモを取るわけにいかない。こう いう際には頻繁にトイレに駆け込む。使えると思った話があれば、便 座に座り、ポケットの手帳に殴り書きする。 「原発がいいか悪いか、普通の人間にはわからんよ。電力会社が東大 あたりの偉い先生を連れて説明にくる。やれ日本には石油がない、指 先ほどのウランがあれば、たくさんのドラム缶に入った石油と同じだ け電気が作れる、なんて言われたら、へぇ、となる。俺らの世代は石 油ショックを経験しとるから説得力があったね。 じーさん、バーさん連中なんて、一通り説明されれば、原発夢工場 だと思っただろう。実際、そうなんだ、この街にとっては。 なにしろ国のお墨付き。偉い先生と一緒に『放射能は厳重に管理され ている』と説明を受けるからみんな信用する。田舎の人間が権威に弱 い。大学の先生、これが効く。――》 ヤクザと原発 福島第一潜入記文藝春秋 (2011/12/15) ・〈目次〉・ 序 章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」 第1章 私はなぜ原発作業員となったのか 第2章 放射能vs.暴力団専門ライター 第3章 フクシマ50が明かす「3・11」の死闘 第4章 ついに潜入!1Fという修羅場 第5章 原発稼業の懲りない面々 終 章 「ヤクザと原発」の落とし前 ◎東京都の石原慎太郎知事の言葉がいい。感心しました。 「がれきの処理は一種の戦。総司令官の総理大臣がなんで大きな号令 を出さないのか」。28日、石原知事はの都議会本会議での答弁で、 がれきの広域処理が進まない実態について、野田佳彦首相をこう批判 しました。 環境省が2月に公表した資料によると、岩手県のがれき推定量は、約 476万トン、宮城県は約1569万トンに上ります。宮城県の一般 廃棄物の19年分、岩手県でも11年分という気が遠くなるような膨 大な量です。孝男環境生活部長は「がれき処理は被災地にとって復興 の1丁目1番地」と語っていますが、何も進展していません。 /////////////////////////////////////////////////////////////
◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆

佐藤栄佐久 (著) 『福島原発の真実 』(平凡社新書) ☆(48)

《嘘と欺瞞のメルトダウン。すべての議論はここから始まる!  国が操る「原発全体主義政策」の病根を知り尽くした  前知事がそのすべてを告発》【表紙帯から】
▼△第8章 「日本病」と原発政策(3)△▼
・スケジュールありきの原発政策(その1)・

関西電力藤社長は美浜原発事故後も電気事業連合会長を続ける

《「――一一ニ月ニニ日、原子力委員会の「福島県知事のご意見を聞 く会」に出席した。原子力委員会の「新しい原子力政策大綱の策定委 員会」において、安全に関する部会が開催されるというので、私から 希望して出席させてもらったのだ。 冒頭に発言の時間を貰ったので、私は安全策に的を絞って意見を述べ た。いま進められている原発政策はかって私が形容した「“ブルドー ザーのように進める”どころではなく“戦車のように進んでいる”」 ようだ、とスケジュールありきの原案政策に苦言を呈した。 そして、美浜原発の事故を起こした関西電力の藤洋作社長が、事故後 も電気事業連合会の会長を続け、原子力委員会の委員として発言を続 けていることについて、「理解に苦しむ」と述べ、そのような状態を 放置している原子力委員かのあり方を批判した。 そして、高浜原発の蒸気もれ事故について「安全というよりも運転を 推進している」と、保安院の分離が実現していない状況についても批 判した。 そして、原子力政策の決定プロセスの透明化と民主化を訴えた。 ――》 福島原発の真実 (平凡社新書)平凡社 (2011/6/23) ◎関西電力の藤洋作社長に限らず、電力会社の唯我独尊は、どうして 許されるのだろうか、と理解に苦しみます。先に、福島原発事故独立 検証委員会(民間事故調)の再三の協力要請にもかかわらず、直接の 当事者である東電は一切協力しなかったといいいます。 

≪都会歳時記≫

[都市・現代の視座1000句]句集 古家 元「文學の森」刊]
〔春〕動物  引鳥の水面を剥がしつつ翔てり
http://shop.bungak.com/products/detail.php?product_id=143

≫平成万葉集

読売新聞社 (編集)、「万葉のこころを未来へ」推進委員会 (編集)
城沼の泥田に腰まで浸かりつつ農夫は白き蓮を掘り出す
熊倉スミ子(78歳)群馬県

◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆

アンブローズ ビアス (著)、Ambrose Bierce (原著)、 西川 正身 (翻訳) サイレン(Siren n.) 何人かいる音楽の天才の中の一人で、オデュッセウス を説いて大海の波に上での生活を思い切らせることが できなかったことで有名。比喩的には、かがやかしい 前途の見込みを持ち、おのれの追求する目的を偽り、 演奏会を開けば聴衆を失望させないでおかないご婦人 について誰彼の別なく用いる。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)

☆★☆言えそうで言えない英会話表現☆★☆

ただほど高いものはない。
There's no such thing as a free lunch.
<NHKラジオ 「英語5分間トレーニング」岩村圭南 講師>

◎◆◎アートのたのしみ《英国篇》◎◆

ローレンス・アルマ=タデマ“もう何も尋ねないで”
1906年・個人蔵) ◎テニスンの詩より。 もう何も尋ねないで。あなたとわたしの運命は決まっ たのだから。流れに逆らおうとしたけれど、すべては 無駄でした。今は大きな河の流れがわたしを大海原へ と運んでくれますように。どうかもうよして、愛しい 人よ。ちょっと触れただけでも挫けそうになるから。 ◇ローレンス・アルマ=タデマ (Lawrence Alma-Tadema, 1836年1月8日 - 1912年6月25日) イギリス、ビクトリア朝時代の画家、ラファエル前派。 オランダ、 ドゥロンレイプ生まれ。1852年、アントワープの美術アカデミーに 入学。1863年、新婚旅行でポンペイへ旅行し、これを機にエジプト、 ギリシア、ローマの古代世界に関心をもつようになります。パリに 移住したのち、普仏戦争を逃れて1870年にロンドンへ渡り、73年に イギリスに帰化。1879年にはロイヤルアカデミー正会員。
Sir Lawrence Alma-Tadema (作品集)
(gilcarosio さんが 2010/01/29 にアップロード) 【 Sir Lawrence Alma-Tadema, OM, RA (8 January 1836 -25 June 1912) was one of the most renowned painters of late nineteenth-century Britain. Born i n Dronrijp, the Netherlands, and trained at the Royal Academy of Antwerp, Belgium, he settled in England in 1870 and spent the rest of his life there. A classical-subject painter, he became famous for his depictions of the luxury and decadence of the Roman Empire, with languorous figures set in fabulous marbled interiors or against a backdrop of dazzling blue Me- diterranean sea and sky. Admired during his lifetime for his draftsmanship and depictions of Classical antiquity, he fell into disrepute after his death and only in the last thirty years has his work been reevaluated for its importance within nineteenth-century English art. Video Edited by Gil Carosio 】