クリスマスのたびに離婚を考える
『ロンドンはやめられない』（１２）
〈著者〉高月 園子（たかつき そのこ）
・クリスマスのたびに離婚を考える
・誰もが国外逃避したいクリスマス
＜yuka's fotolife Night Walker＞
『ロンドンはやめられない』（１２）
キリスト教世界の最大最重要の行事とい えるクリスマスの実情がこんなに悲しい とは、知りませんでした。 私が抱いているクリスマスのイメージは、 オー・ヘンリー作『賢者の贈り物』に登 場する貧しい夫婦のデラとジムによるク リスマス・プレゼントのとても切ない贈 り合いの精神の中にあります。 「ジム、ねえ、あなた」デラは声をあげ ました。「そんな顔して見ないで。髪の 毛は切って、売っちゃったの。だって、 あなたにプレゼント一つあげずにクリス マスを過ごすなんて絶対できないんだも の。髪はまた伸びるわ ―― 気にしない、 でしょ？ こうしなきゃ駄目だったの。 ほら、わたしの髪ってすごく早く伸びる し。『メリー・クリスマス』って言って よ、ジム。そして楽しく過ごしましょ。 どんなに素敵な ―― 綺麗で素敵なプレ ゼントをあなたに用意したか、当てられ ないわよ」 「髪を切ったって？」とジムは苦労しつ つ尋ねました。まるで、懸命に頭を働か せても明白な事実にたどり着けないよう なありさまでした。 「切って、売っちゃったの」とデラは言 いました。「それでも、わたしのこと、 変わらずに好きでいてくれるわよね。髪 がなくても、わたしはわたし、よね？」 結城浩訳オー・ヘンリー著『賢者の贈り 物』（The Gift of the Magi）から引用 しました。下記のサイトで物語の全編を 読むことができます。何回読んでも心が 洗われます。百万遍お勧めします。 『賢者の贈り物』 賢者の贈り物〔・イギリス人はクリスマスがお嫌い〕
クリスマスのたびに離婚を考える
「 この過剰ともいえる拒絶反応。無理もあ りません。一体、恋人のいる人や小さな 子供のいる家族以外の誰が心底クリスマ スを楽しめるのでしょう。 約二組に一組の結婚が離婚に終わる、急 速に家族崩壊が進むイギリス。 両親が離婚した子供はたいていクリスマ スを「今年は母親と、来年は父親と」と いった具合に一年交代で過ごすようです が、それは自分たちの家族がばらばらに なってしまったことを改めて思い出させ る悲しいオケージョンでしかありません。 また、親のほうも一年おきにやってくる 子供のいないクリスマスには、涙また涙 だとか。 シングルマザー、恋人のいない人、伴侶 を亡くした人、病院や施設にいる人、ク リスマスにも働かなくてはならない人… …実はこういう人たちのほうが圧倒的に 多いのが世の中というもの。 かくして、クリスマスの前後には鬱状態 になる人が多く、サマリタンズなどカウ ンセリング機関はクリスマス・ヘルプラ イン（日本の「いのちの電話」）を特設 し、ラジオは「クリスマスに独りぼっち はあなただけじゃない」と呼びかけるの です。 じゃ、子供のいる家族ならクリスマスを エンジョイしているかというと、とんで もない。近所のジェーンはクリスマスの たびに離婚を考えるといいます。 毎年クリスマスにはご主人の両親や弟た ち一家をディナーに招待するのが恒例に なってしまっているそうなのですが、ご 主人と弟の一人が犬猿の仲で、毎年最後 は罵り合いの大喧嘩になるとか。 皆が帰ったあとはジェーンの「クタクタ！ 誰もありがたがってくれないし……もう こんなこと、今年でやめましょ」という 毎年きっちり同じセリフで夫婦喧嘩が始 まり、その後遺症は実に春近くまで尾を 引くそうです。誰もが国外逃避したいクリスマス
でもクリスマスに家族が集まるのはイギ リスの古くからの伝統で、おいそれとは やめられないそう。 新聞によりますと、クリスマスのディナ ーには料理と準備に五時間、片付けに三 時間かかるのが平均だとか。 ジェーンのケースは決してめずらしくな く、どこの家庭でも後片付けのときに大 喧嘩が始まるそうです。読んでいるだけ でどって疲れました。 また、チェルシーやケンジントンのこぢ まんりとしたフラットに囲わえる保守党 議員の愛人たちもクリスマスはお嫌い。 いつもは家族に見向きもしない彼も、ク リスマスだけはと（有権者の訪問もある しね）地方の選挙区にある自宅に帰った まま、「メリー・クリスマス！ ダーリ ン。愛しているよ、来年もよろしくね。 チュッチュッ」の電話すらなし。 怒り心頭に発した彼女たちはボクシング ・デーに高級店の並ぶボンド・ストリー トやハイセンスな高級デパート「ハーヴ ィ・ニコルス」に繰り出し、彼のカード で自暴自棄買いし、せめてもの仕返し。 そんなこんなで、本心は誰もが国外逃避 したいクリスマス。でも逃げ出したくと も航空運賃やホテル代には法外なクリス マス特別料金が加算され、しかもどこも 早くから予約でいっぱい……ああ、無常！ 」 〔・イギリス人はクリスマスがお嫌い〕了 （続き） (M78-26)『ロンドンはやめられない』（１２）
高月 園子さん：
東京女子大学文理学部史学科卒業。英米文学翻訳家。翻訳のほかに、 音楽関係の記事や、20年以上にわたるロンドン生活を題材にしたエ ッセイを執筆している。 主な訳書に、ラトレル＆ロビンソン『アフガン、たった一人の生還』、 スチュワート『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』、デュ・プレ姉 弟『風のジャクリーヌ』、スミス『めぐり逢う時はふたたび』、ア ヴィーソン『スプーン三杯の嫉妬』、ベッカム＆ワット『ベッカム ：マイ・サイド』などがある。高月 園子さん（画像）
リダイレクトの警告『ロンドンはやめられない 』 (新潮文庫)
文庫: 301ページ 出版社: 新潮社 (2010/8/28)クリスマスが嫌いで、ゴシップ大好き。親は子供の成功を恐れ、 物欲がなさそうでダイヤには目がくらむ。在英25年の駐在員夫 人が明かす紳士淑女の実態は、品がいいのか悪いのか。イギリ ス式子育て、人生を狂わされる駐在員たち、海外生活ならでは の失敗談など、おかしくも愛おしい珠玉のエッセイにちりばめ られた幸せの秘訣。 ＜目次＞ ・私様の教養コレクション ・子供の成功を恐れる親たち ・ロンドンで成金ウォッチング ・イギリス式不完全主義 ・イギリス人はクリスマスがお嫌い ・大学入試はユーモアで制覇? ・ＧＵＰの法則 ・コーヒー・モーニング発、ランチ経由、 ディナー・パーティ行き ・男と女のケミストリー〔ほか〕 以上
- 作者: 高月園子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/08/28
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 36回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
賢者の贈り物 (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 4)
賢者の贈り物 (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 4)
- 作者: オーヘンリー,和田誠,O. Henry,千葉茂樹
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)
並はずれた守銭奴で知られるスクルージは、クリスマス・イヴに かつての盟友で亡きマーリーの亡霊と対面する。マーリーの予言 通りに3人の精霊に導かれて、自らの辛い過去と対面し、クリス マスを祝う、貧しく心清らかな人々の姿を見せられる。そして最 後に自分の未来を知ることに。
- 作者: ディケンズ,池央耿
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/11/09
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (69件) を見る
Samaritans Home Page-->
Samaritans | Every life lost to suicide is a tragedy | Here to listenJapanese Line - Central London Samaritans
http://www.cls.org.uk/japanese.htmlKids Helpline - Managing Christmas
http://www.kidshelp.com.au/grownups/news-research/hot-topics/managing-christmas.phpハーヴェイ・ニコルズ - Wikipedia
ハーヴェイ・ニコルズ（英：Harvey Nichols）とは、イギリスに本店を 置く百貨店（デパート）の一つである。日本語ではハーベイ・ニコルズ またはハービー・ニコルズと表記することもある。愛称は「ハービー・ ニックス」。イギリス国内外に店舗を展開する百貨店であるが、日本の 旅行ガイドブック等ではロンドン・ナイツブリッジにある店舗を紹介し ていることが多い。 このロンドンの店舗は、ブロンプトン・ロードとスローン・ストリート の交差点の東南角に位置し、売り場は地下2階から地上6階まである。店 舗前にロンドン地下鉄ピカデリー線・ナイツブリッジ駅の出入口がある。 同じくブロンプトン・ロードに面する百貨店であるハロッズはここから 徒歩約3分の所にあり、両者はしばしばライバル視されている。 ハーヴェイ・ニコルズ - Wikipediaクリスマス - Wikipedia
クリスマスは、イエス・キリストの降誕（誕生）を祝うキリスト教の記 念日・祭日である。「神が人間として産まれてきたこと」を祝うことが 本質である。12月25日がこれに当たるが、キリスト教に先立つユダヤ教 の暦では日没を一日の境目としているので12月24日夕刻から朝までをク リスマス・イヴとして祝う。 ◇明治時代 日本でクリスマスが受け入れられたのは、1900年（明治33年）に明治屋 が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契 機であった。 クリスマス - Wikipedia☆☆ヨーロッパ古城巡り☆☆ フランス
Le Chateau feodal de Sancerre
a ete l'un des plus forts chateaux du Moyen Age construits en France. Château de Sancerre — Wikipédiaわが隣人サド (晶文選書)
- 作者: ピエール・クロソフスキー,豊崎光一
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1989/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
★米国ゴルフコース見参 メリーランド州 ベテスダ★
Bethesda Country Club 7601 Bradley Blvd Bethesda, MD 20817 (301)365-1703 "Bethesda Country Club (Bethesda)" Flyover Tour :＜世界のホテル案内＞ シンガポール
Quincy
22 Mount Elizabeth Singapore Singapore クインシー・ホテルの部屋の中です :“コンラッド・ヒルトン、ヒルトンホテルを創った男の曾孫パリス・ヒルトン”
☆★☆ParisHilton Twitter Selection:
.@Vanillak1tty Love you too :) - http://tinyurl.com/3xey5r7 5:03 PM Oct 23rd webから Vanillak1tty宛◇気になるサイト◇**
藤井フミヤ - FFM 藤井フミヤ official | TOP | Yahoo!ファンクラブ
http://fumiya.fc.yahoo.co.jp/WITH THE RAWGUNS (通常盤)
- アーティスト: 藤井フミヤ
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
藤井フミヤ - Long Road
◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆
アンブローズ ビアス (著)、Ambrose Bierce (原著)、西川 正身 (翻訳)低能(imbecility n.)
本辞典に難癖をつける批評家のやからに襲いかかる、 一種の天与の霊感ないし聖なる焔。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)Δ▼Δ▼野次馬根性
蜜の味忘れられぬ鳩山夫妻に唖然
忘れられない蜜の味 蜜の味忘れられぬ鳩山夫妻に唖然 (2010年10月26日掲載) - ライブドアニュース◇◇◇お手並み拝見 菅直人首相
北海道衆院補選／いつまで続く民意の軽視
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2010/10/20101026s01.htm◆＊中東を知らないと遅れをとる＊◆
Middle East - Al Jazeera English
Middle East News – the latest from Al Jazeera★☆世界を同時進行で体験する☆★
