正直すぎることは未熟とみられる世界

“マルチ外交の修得”
『多極化世界の日本外交戦略』神余隆博(5)

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正直すぎることは未熟とみられる世界

“マルチ外交の修得” 『多極化世界の日本外交戦略』神余隆博(5)
マルチ外交の修得
日本が今しなければならないことは、古 今東西のあらゆる外交手段と紛争解決の パターンを理論的かつ経験的に学ぶこと であり、ユーラシアのバザール文化圏や アラブ文化圏でのレトリックと交渉術を 含め、世界の交渉術と妥協のの仕方を知 り尽くすことである。 それを知るのに、最も手っ取り早いのが、 世界の国が参加している国連において、 各国の外交に揉まれることである。マル チ外交を知ることこそ、バイ(二国間) で負けない外交官を作り出す最短距離で ある。 そして、勝つか負けるかの絶対主義的外 交から相対主義的外交に徐々に転換を図 ることであろう。 勝利か服従かの感覚から外交を開放する ことであり、最大公約数的な解をどう見 つけるか、そうすれば袋小路とパニック に陥らずに難局を脱することができるか、 そのための智恵、智略、レトリック、交 渉術を磨くことである。
正直すぎることは未熟とみられる世界
そのようなことは、およそ諍いごとと交 渉行動を避ける日本では容易に経験でき ないので、若手の外交官を国連などのマ ルチが外交の現場に投入し、実感をもっ て外交の難しさと妥協の美学を体得させ ることが肝要である。 マルチの外交は、誠実や約束を守るとい うバイ(二国間)の外交の価値観が必ず しも通用しない世界であり、常に誰かが 掘った落とし穴に落ちないよう、時には 調略をめぐらせ、最大利益の達成を実現 しなければならない。 正直すぎることは未熟とみられ、軽んじ られる傾向すらある。
社交下手は外交下手
筆者は外交も政治も、基本は社交ができ るか否かいかかっていると考えている。 本書でも紹介しているが、日本において は政治家もビジネスマンも、そして時に は外交官も社交が苦手であり、できれば その煩わしさを避けたいと思っている。 そんな時間があれば仕事に打ち込むか、 休日は自分の趣味に耽溺したり、自己啓 発と称する習い事や読書をしたりするの がよいという傾向があるように思える。 一般の市民であれば、それでなんら問題 はないのであろうが、外国との交渉や国 際会議、サミットなどに出席し、重要な 判断と決断をしなければならない政治家、 トップビジネスマン、外交官などはそれ ではいけない。
責任のある人こそ、社交は仕事の一部
評論家で劇作家の山崎正和氏は、著書 『社交する人間』(中央公論新社、二〇 〇六年)の中で、「それ(筆者注:社交) は『なりふりかまう』行動であり、いい かえれば、過程の一瞬ごとにも意識の能 動性を捨てない行動」であり、「野蛮を 防ぐ奸智だといえる。さまざまな道徳的 命令が多元化し、ときに相対化されない 二一世紀に向けて、これがいま社交を考 える一つの理由になることが予想される のである」と述べている。 責任のある人こそ重要な文化的な行事や 集まり、パーティ、会食などに出かけて 行って大いに社交をしなければならない。 外交や政治は社交の積み重ねといって過 言では」ない。欧米においては、政治家 や財界のトップが文化行事に実によく顔 を出し、何時間も一緒に過ごす。 社交を仕事の一部と心得て意識的に行っ ているのだと思う。 欧米でも根っから社交が好きな人間とい のはそれほどいるわけではない。何かの 組織の長になれば、なかば義務感ではあ ろうが驚くほど社交をしているのである。
次世代の経営者を交流させる社交の濃さ
欧米では、政治もビジネスもすべて理非 曲直(りひきょくちょく)で合理的に行 っていると考えるのは間違いであり、自 宅に呼んだり、呼ばれたりして関係を構 築している。 人的ネットワークとコネの果たす役割は 日本人の想像を超えている。ドイツのさ る財界人は筆者に対し、日本とのビジネ スの難しさの一つに人的な関係の構築の 少なさを挙げていた。 ドイツの企業は、大企業も中小も含めて 同族経営的なものが、少ないが(フォル クスワーゲンの傘下に入ったポルシェも 然り)、米国や中国の企業との間で、次 世代の若手経営者を送り込んで交流を行 っているという。 そのような人間関係を通じてビジネス・ チャンスが生まれることが多いのに対し、 日本の企業との間には次代を担う若手企 業家同士の交流がいかに少ないか嘆いて いた。 日本企業はビジネスライクにビジネスし たがるということであろう。現実はその ようなものでない。    * * * 日本国内においては、オール・オア・ナ ッシングで、妥協の仕方を知らない、と いうのは、むしろ、美徳とみられること もあるが、いったん、海外に出れば、鼻 つまみにされかねない、桑原、くわばら。 それでも、一般の日本人は、いいとして、 外交官にも、国連などで、外交の難しさ と妥協の美学を習得させる必要があると いう話しには、落胆させられる。 部外者から見れば、日本の外交官は、そ んな基本的な訓練の機会さえも、与えら れていなかったのかと。こりゃ、ダメだ。 (続く)(N231-36)

正直すぎることは未熟とみられる世界

社交する人間―ホモ・ソシアビリス (単行本)
社交する人間―ホモ・ソシアビリス

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多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)
多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)

多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)

<目次> 第1章 多極化世界と日本の立ち位置 第2章 多極化時代の外交の基本 第3章 東アジア共同体への道 第4章 歴史と外交 第5章 マルチ外交の最前線から 第6章 なぜ日本は安保理常任理事国を目指すのか 第7章 外交における人とリーダーシップ 終章 日本の目指す道―「平和創造国家」 以上
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パリのかわいいガーリー・インテリア

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<ことわざに言ふ:“文章は経国の大業”なりと> 週末は千葉県の鴨川に滞在し、水平線を眺めながら今後の課題について思いをめぐらせました。 こうして広い海を見ると視野が広がり、やる気がふつふつと湧き出します。 2:11 AM Mar 28th Keitai Webから