外交は外交官の専売特許ではない

“外交立国こそ二一世紀の日本の『坂の上の雲』”
『多極化世界の日本外交戦略』神余隆博（６）

＜yuka's fotolife 夢吹雪＞

    
外交は外交官の専売特許ではない
    “外交立国こそ二一世紀の日本の『坂の上の雲』”
『多極化世界の日本外交戦略』神余隆博（６）



    
世界第二位の経済大国の幕を閉じる
    これまでの日本は、外交下手であっても
大きく国益を損なうことはなかった。自
由主義陣営の一員とし、西側諸国と歩調
をともにしていればよかった。

しかし、これからは違う。二〇〇八年九
月の金融・経済危機を契機として日本経
済が減速し、間もなく、世界第二位の経
済大国の幕が閉じようとしている今日、
米中Ｇ２、Ｇ２０など新たな世界経済秩
序に世界の関心が集中し、Ｇ８も翳りを
見せたきている。

欧米のマスコミにおいても中国の動きが
報じられない日はなく、アジアを語ると
きに日本への期待は儀礼的にしか登場し
ない。

二〇〇九年一〇月二八日に成立したドイ
ツの新政権（キリスト教民主・社会同盟
と自由民主党の連立）の連立協定におい
ても、アジアにおける外交の中心は中国、
インドそして日本の順番になっている。

二一世紀において、世界はますます多様
化が進行してゆくと予想されるが、人口
と経済力の減退が明らかな日本は、多極
化世界で大国としてとどまることができ
るか。

これは日本人のみならず、日本ウォッチ
ャーと日本関係者にとって最大の関心事
である。



    
日本の政治家は、経済大国の意識のまま
    国力の基盤である人口と経済が衰退して
いく際に、何をよりどころにすれば日本
の国益をま守り、同時に国際的な存在感
を示し、諸外国から一目置かれる存在と
なれるのか。

確実に言えることは、これまでの外交の
仕方を変え、主張を強めなければならな
いということである。

二一世紀において米国、中国、ＥＵ（欧
州）、ロシア、インド等に伍して、大国
とは言わなくとも主要国として日本の存
在と役割を誇示していくためには、外交
立国として日本を生まれ変わらせなけれ
ばならい。

さもなくば、日本は二〇世紀後半に世界
第二位の経済大国して東アジアに存在し
た国として歴史に記録されるに終わるで
あろう。

国力に翳りが生じているのは、ドイツも
同様である。戦前・戦中・戦後と、日本
とドイツは良い意味でも悪い意味でも比
較の対象となってきた。

そのドイツは、いまや周りをすべて友好
国に取り囲まれ、「欧州のドイツ」とし
て生きる道を貫いている。その背景とな
っているのが、かっての敵国との和解の
達成である。

日本がこれから「アジアの日本」として
生きていく上で、ドイツから学べること
は少なくないと思われる。

ドイツを美化する必要はない。ドイツが
悩み抜いて編み出した外交上の智略を、
日本は少し、味わってみるのも悪くない
だろう。



    
外交は外交官の専売特許ではない
    本書で筆者が提案している外交力強化の
処方箋とは、マルチ外交の飛躍的な強化
とそれを支えるための外交人材の養成、
具体的にはレトリックと雄弁に秀で、社
交がきちんとできる外交家（政治家も外
交官も含めて外交に当たる人材という意
味で、Diplomat ではなく、Diplomatist
と呼ぶ）の育成である。

外交は外交官の専売特許ではない。外交
の主体はあくまで政府であり、外交官は
外交のプロとして政治を支えて、政治の
決定に従って動く存在である。

日本が外交感覚を磨く上でも、政治家の
外交への関与と外交官としての役割（マ
ルチ外交を含む）は抜本的に強化する必
要がある。



    
言葉の苦手な外交官は始末におえない
    多極化世界においては、英語やその他の
外国語で仕事ができない政治家は外交家
としては不適格であろう。

言葉の苦手な外交官はもっと始末におえ
ない。交渉はもちろんのこと、社交のた
めにも、レトリックと雄弁、そして言葉
の能力は基本中の基本である。

そのような外交家の卵を日本全国あるい
は世界にいる日本人の中から見つけだす
ためには、人材発掘の方法も変えていか
なければならない。この点も発想の転換
が必要と思われる。

そして、将来は政治家と外交官からなる
外交家集団が、紛争の調停や仲介を中心
とする平和創造（ピースメイキング）や
世界の危機管理において主導的な役割を
果たし、国連をはじめとする国際機関の
長を含む多くのポストに日本人が就任す
るという平和創造国家の目指すことが、
筆者の希望であり、目標である。いまこ
そ外交下手を克服し、外交立国を目指す
ことが、二一世紀の日本人の追い求める
「坂の上の雲」である。

・本書は筆者の個人的な見解を述べたも
のであり、所属する組織の意見や立場を
表明するものではない。

　　　＊　＊　＊

恐ろしいことです。未だに、日本の政治
家たちが、世界の中での日本の現状を認
識出来ていない、すなわち、二〇〇八年
九月の金融・経済危機以後も、世界第二
位の経済大国の意識のままで、後ろ向き
の政争に明け暮れています。明治期の先
達のお手本があるというのに…。

神余隆博氏が、“外交立国こそ二一世紀
の日本の『坂の上の雲』”と訴える心情
には、悲痛な焦燥感が伝わってきます。

それにしても、現役の外交官をして、あ
えて“言葉の苦手な外交官はもっと始末
におえない”と言わしめる現状には驚愕
します。それでも、汝の名は外務省か。

（続く）(N232-36)





    
外交は外交官の専売特許ではない
    


    
外務省 - Wikipedia
    外務省 - Wikipedia






    
外交官 - Wikipedia
    外交官 - Wikipedia






    
外交官の仕事 (単行本)
    
外交官の仕事
 






    
現代金融・経済危機の解明 (MINERVA現代経済学叢書) (単行本)
    
現代金融・経済危機の解明 (MINERVA現代経済学叢書)
 







    
多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)
    
多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)
 
＜目次＞
第1章 多極化世界と日本の立ち位置
第2章 多極化時代の外交の基本
第3章 東アジア共同体への道
第4章 歴史と外交
第5章 マルチ外交の最前線から
第6章 なぜ日本は安保理常任理事国を目指すのか
第7章 外交における人とリーダーシップ
終章 日本の目指す道―「平和創造国家」
以上



    
神余隆博 プロフィール - あのひと検索 SPYSEE [スパイシー]
    http://spysee.jp/%E7%A5%9E%E4%BD%99%E9%9A%86%E5%8D%9A/1049863/





    
≫平成万葉集≪
    限界の集落なぞと言ふ勿れ霧の晴れゆく峡は萌え出づ　

嵩　一登（69歳）福岡県


平成万葉集



    
☆☆ヨーロッパ古城巡り☆☆ フランス
    

    
The Chateau de Hohbarr (French: Haut-Barr)
    is a medieval castle, first built in 1100, above the city of Saverne 
in what is now the French departement of Bas-Rhin. 
Château de Hohbarr - Wikipedia
Ref.
A08 地球の歩き方 南仏プロヴァンス コート・ダ 2010 (単行本) 
A08 地球の歩き方 南仏プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ 2010〜2011








    
★米国ゴルフコース見参カリフォルニア Bay Area Golf Courses★
    "Shadow Lakes Golf Club (Shadow Lakes)" Flyover Tour : 








    
＜世界のホテル案内＞ 米国 ネバダ州　ラスベガス
    Monte Carlo Resort Casino : 





“コンラッド・ヒルトン、ヒルトンホテルを創った男の曾孫パリス・ヒルトン”

    
☆★☆ParisHilton Twitter Update:
    Last night at Black Eye Peas - 
Error - X17 Online - X17 Online 
11:00 AM Mar 30th mobile webから 



 






    
◇気になるサイト◇
    寺井尚子 公式サイト 
寺井尚子 公式ウエブサイト t-naoko.com
アダージョ 
アダージョ





    
◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆
    

    
歴史(history n.)
    大抵は悪者である支配者と、大抵は愚か者である兵士とによって惹き起こされる、
大抵は重要でない出来事に関する、大抵は間違っている記述。


新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)



    
◎◎◎Twitter 鳩山由紀夫首相の言葉を覗くと…
    ★★★＜ことわざに言ふ：“文章は経国の大業”なりと＞

パプアニューギニアのソマレ首相と会談しました。
１９７５年の独立以来「建国の父」として慕われている方です。
南太平洋の豊饒な島々は気候変動の脅威にさらされています。
ソマレ首相ともＣＯＰ１６に向けた協力を確認しました。 
2:33 AM Mar 29th Keitai Webから 




    
◇☆ニコニコ動画ピックアップ◇☆