戦争も経済も、全て日本文化への称賛の背景

世界17カ国の最新リポート“フランス”

今井佐緒里編「ニッポンの評判」(30)

“もうひとつの「美しき文明―日本に抱く夢”(5)

<yuka's fotolife いちいの独り言>

戦争も経済も、全て日本文化への称賛の背景

今井佐緒里編「ニッポンの評判」(30)
“フランス”リポーター:今井佐緒里
神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務後、渡仏。 ニース大学法政治学科に在籍しながら執筆活動をしている。 “もうひとつの「美しき文明―日本に抱く夢”(5)
戦争も経済も、全て日本文化への称賛の背景
しかし、過去も現在も、なぜ日本文化が これほど注目を浴びているかといえば、 個性的な独自の文化をもっているからだ けではないと私は思う。 もし日本が西洋列強の植民地になってい たら、これほど日本文化に対する尊敬と 研究が持続しただろうか。 もし、敗戦後に民主主義と経済復興を果 たさなかったら、20世紀が後半になっ て欧米で「日本文明」という言葉が使わ れるようになったであろうか。 パリのアンヴァリッド(廃兵院)は、現 在ナポレオンの墓とフランス戦争博物館 になっている。 展示からは「戦争は人間の営みの一つ」 「国家と戦争は切り離して考えられない」 というメッセージが迫ってくるように思 えた。 二つの大戦コーナーは欧米が主役だが、 大日本帝国が主役の展示が二区画ある。 一つは真珠湾と最大版図を含む日本の進 軍、もう一つは原爆と戦争の終結である。 フランスは、何千年も戦争と平和を繰り 返したきたヨーロッパにおいて大国の地 位を維持してきた。 「平和、平和」と唱えていさえいれば、 平和が守れるという幻想は、一市民に至 るまでまったく抱いておらず、[力なく して平和も独立も保てない」と当然の事 として考えているようだ。 そのためか、在東京フランス人ジャーナ リストにとって、日本の政治・外交力の 欠如や米国への依存は、たいへん苛立つ ことと映っているらしい。
高校卒業に必要な日本知識
高校を卒業するには、バカロレアという 国家試験(3種類ある)に合格しなけれ ばならないが、日本経済は重要項目の一 つだ。 太平洋ベルト工業地帯を説明できること は、中学で既に必須である。また埋め立 てを繰り返して近代化された東京湾を始 めとする国際港、ヨーロッパから日本に 至る海の輸送ルート、アジアでの経済的 影響力、東京がもつ世界の大都市として の機能を理解することも大事である。 今世紀だけを見ても、地理(2、3から 1問選択)で日本関係が出題されていな い年は存在しない。どうりで「バカロレ アで日本を選んだよ」と挨拶代わりに言 われる事が多いはずだ。
日本「民高政低」vs.フランス「民低政高」
一般のニュースで何かと話題になるのが、 宿命のライバル(?)新幹線である。 2008年にフランスの次世代高速列車 AGVの披露会が行われ、テレビでトッ プニュースとなったが「外国からも招待 客が訪れ」というナレーションと共に映 ったのは、ぶぜんとして不機嫌そうな表 情の、その場で唯一のアジア人であった。 彼が日本人あることは頷けるし、テレビ が、わざとそういうショットを選んだに 違いない。 日本が「民高政低」なら、フランスは、 「民低政高」である。フランスの主要産 業は、原子力、電力輸出、新幹線、飛行 機と国家からみが多く、経済も政治に密 着しているため輸出という点ではTGV が新幹線に勝っていると思う(韓国、ス ペイン、モロッコ等に輸出されている)。 しかし、乗った感想では、TGVのほう が内部デザインは良いものの、機能性と いい乗り心地といい、新幹線のほうが優 れている(と思うのは欲目だろか)。 国の威信をかけているTGVだから、そ の気分が市民にも伝わるんかもしれない。 フランスの人の友人は日本に旅行して、 地下鉄の中まで激写して女子高生に笑わ れていたのに、「絶対乗りたい」と言っ て乗った新幹線の写真は一枚もなかった。 「どうして?」と聞くと、「大したこと ないから」だそうだ。 このように、戦争も経済も、過去から現 在まで日本の行為すべてが、「日本文化 への称賛」の背景にあることは忘れたな らないと思う。
異質なものは美しい、美の保護者になる
フランス人は、美をあがめ尊敬してきた。 異質なものは美しい。美の保護者になる べきである――このような意識が、たい へん強いと思う。 そんな土壌があるからこそ、多くの外国 人がフランスで才能を開花させた。イタ リア人のダ・ヴィンチが建築家としての 才能を発揮し、埋葬されたのもフランス だった。 オランダ人画家のゴッホポーランド人 作曲家のショパン、ロシア人舞踏家・振 付師のニジンスキーハンガリー人写真 家のキャパ、スペイン人芸術家のピカソ ――彼らみな「フランス文明」に貢献し た者として尊敬を受けている。 米国のような移民国家でないフランスが 外国を受け入れる二大キーワードの一つ が「美・芸術」なのであり、外国人を同 化させ吸収してしまうほどの文明力がフ ランスにはあったのである。    * * * 文中、戦争も経済も、過去から現在まで 日本の行為すべてが、「日本文化への称 賛」の背景にあることは忘れたならない、 という今井佐緒里さんの知見の高さには 敬服させられます。 フランスが外国人を同化させ吸収してし まう文明力について言えば、その一人に 米国の作家アーネスト・ヘミングウェイ も入ると思います。 ヘミングウェイは無名時代から、パリの ホテルリッツのバーの常連客でした。 パリの空気をすっていなけれれば、後の 大文豪は誕生しなかったかもしれません。 (続く)(N217-33)

戦争も経済も、全て日本文化への称賛の背景

アンヴァリッド Invalides
1789年7月14日、パリの民衆はここから武器を運び出して、バスティーユに向かいました。 http://www.monberu.com/html/travel/invalides.htm
次世代高速列車AGVを公開、最高時速は360キロ 仏アルストム
http://www.afpbb.com/article/economy/2346863/2601924
ヘミングウェイのパリ・ガイド (ショトル・トラベル) (単行本)
ヘミングウェイのパリ・ガイド (ショトル・トラベル)

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フランス成句の宝庫―成句に見るフランス文明 (単行本)
フランス成句の宝庫―成句に見るフランス文明

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ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート (新潮新書)
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(目次) 第1章 「クール・ジャパン」へのまなざし ・第一線に就く知日派「ツナミ」世代―オーストラリア ・日本人よりも「日本通」な人々―ロサンゼルス ・サンバと盆踊りの幸福なフュージョン  ほか 第2章 「親日感」のさまざまな形 ・世界で一番の片思い―トルコ ・「日本人のふりをする中国人」が出没!―トンガ ほか 第3章 誤解と幻想を超えて ・ノキア社員が目撃した「傲慢な日本人」―フィンランド ・日本とイランを行きつ戻りつ―イラン ・それでも音楽の都を目指す日本人残酷物語―ウィーン ほか
終章 もうひとつの「美しき文明」 日本に抱く夢―フランス
以上

≫平成万葉集

ガジュマルの根に巻きつかれる仏頭は寂かなる眉伏せておはしぬ  荒井タミ(67歳)栃木県 平成万葉集

☆ヨーロッパ古城巡り☆ スペイン

Peniscola, Castello, Valencia, Spain. Peniscola - Wikipedia Ref. 概説 スペイン文学史 (単行本)
概説 スペイン文学史

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<世界のホテル案内> 米国 ネバダ州ラスベガス

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ParisHilton Twitter Update:
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中西圭三 公式サイト Keizo's Cafe | Keizo Nakanishi Official Web Site I’m home
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◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆

美徳(virtues n.pl.)
あるいくつかの責任回避。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)
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