フィンランド・ミーツ・ジャパン Finland meets Japan.
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フィンランド・ミーツ・ジャパン Finland meets Japan.
今井佐緒里編「ニッポンの評判」(１８)“フィンランド”リポーター：靴家さちこ
一九七四年生まれ。フリーライター。タイ生活、 アメリカ留学を経て、九九年ノキア・ジャパン入社。 退職後ケラヴァ在住。永住予定。(Sachiko kutuke) “ノキア社員が目撃した「傲慢な日本人」”（１）フィンランド・ミーツ・ジャパン Finland meets Japan.
ソ連が崩壊してロシア上空を飛べるよう になってから、１０時間で行けるように なった北欧の国、フィンランド。 近年では、「オーロラ」「サウナ」「サ ンタクロース」「ムーミン」の国として 広く紹介されるようになり、少し身近に 感じられるようになった。 だが、普通のフィンランド人にとっては、 日本はミステリアスな極東の国だ。 歴史の話になると、第二次世界大戦時の ナチス・ドイツの同盟国というイメージ が強い。 十二世紀には西の隣国スウェーデンに、 十九世紀には東の隣国ロシアに統合され ていた自国の歴史から、彼らの加盟国に 対する視線はことのほか厳しい。 テレビでは靖国参拝や教科書問題などが 漏れなく、報じられ、眉をひそめる人も 多いのだ。 そんなフィンランドでは、８０年代から 推し進められてきたハイテク企業育成政 策が９０年代に実を結ぶまでは農業と林 業中心の国だった。 国民はビジネスで世界のあちこちを飛び 回ることもなかった。国際化への大きな きかっけとなったのは、携帯電話の「ノ キア」だ。 国策に乗ったノキアは、携帯電話の欧州 規格の統一に成功し、世界シェア一位を 誇る大企業に成長。 世界中にフィンランド人駐在員をばらま き、国際結婚ブームをもたらすなど、様 々な社会現象を引き起こした。「ノキア」日本上陸に立ち会った貴重な体験
その流れで、優秀な携帯電話部品を求め てノキア社員が上陸したのが日本だった。 ノキア社製の携帯電話の中の部品は６割 〜７割が日本製と言われる。 フィンランド・ミーツ・ジャパン。ノキ ア・ジャパンは開発部門も伴って本格的 な日本でのビジネスを展開した。 ９９年の冬、ノキア・ジャパンに職を得 た私は、部品を通してフィンランドと日 本が、急速に近づく現場を目の当たりに した。 当時、日本にやってきた駐在員たちは、 まだ見ぬ国への憧れや期待で胸を一杯に していた。 遠い未知の国ヤパニ（日本）には、見た ことも聞いたこともない、自分達の理解 を超える何か素晴らしい価値観があるに 違いない――などという過度な期待が。 また、シャイで寡黙なフィンランド人は、 ものの本にもあるように、日本人もまた 自分たちと同じような国民性であると信 じ、何か特別に通じ合うものがあるに違 いないという「期待」を通り越してほと んど「見込み」のようなものを持ってい たという。 だが、過度な期待への裏切りは、ときに 過度な怒りへと発展する。 私のようななけなしの語学力だけを頼り に外資系企業に就職した手合は、彼らの 愚痴を聞くのも仕事のうち。 彼らの口から飛び出す日本（人）に対す る様々な見方は、これまで私の耳に馴染 んでいた評判とは随分違ったものだった。 ＊ ＊ ＊ ２００８年１１月２７日、ノキア・ジャ パンは、一部の高級携帯電話ラインを除 く日本向けの携帯端末の販売及びマーケ ティング活動を中止すると発表しました。 靴家さちこさんは、この記事の執筆時点 （本書の発行日：２００８年８月２０日） には、ノキア・ジャパンの日本撤退のニ ュースを知りませんでした。 しかし、この記事は、はからずも、ノキ ア・ジャパンの撤退を予見するような内 容（ご本人はそう思っていませんでした が…）になっていて、歴史の悪戯とも言 え、非常に興味深いものがあります。 (続く) (N203-31)フィンランド・ミーツ・ジャパン Finland meets Japan.
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（目次） 第１章 「クール・ジャパン」へのまなざし ・第一線に就く知日派「ツナミ」世代―オーストラリア ・日本人よりも「日本通」な人々―ロサンゼルス ・サンバと盆踊りの幸福なフュージョン ほか 第２章 「親日感」のさまざまな形 ・世界で一番の片思い―トルコ ・「日本人のふりをする中国人」が出没!―トンガ ほか 第３章 誤解と幻想を超えて
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・ノキア社員が目撃した「傲慢な日本人」―フィンランド
・日本とイランを行きつ戻りつ―イラン ほか 終章 もうひとつの「美しき文明」 日本に抱く夢―フランス 以上☆ヨーロッパ古城巡り☆ スペイン
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◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆
兵卒(private n.)
背嚢の中に陸軍元帥の司令杖を入れて持っている一方、 その希望には妨害物が入っている陸軍の紳士。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)
