日豪関係は中国を意識する倦怠期に入った

世界17カ国の最新リポート“オーストラリア”

今井佐緒里編「ニッポンの評判」(5)

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日豪関係は中国を意識する倦怠期に入った

今井佐緒里編「ニッポンの評判」(5)
“オーストラリア”リポーター:緑ゆたか
一九六七年生まれ。九七年からメルボル ン在住。現地ファームの日系企業担当部 門で働く傍ら幅広い現地情報を発信する。
意見の違いで友人関係が壊れない国柄
“第一線に就く知日派「ツナミ」世代”(4、了) 前に述べたように、日豪関係は過渡期を 迎えている。2007年末に誕生した労 働党政権は、日本にとって前政権と対象 的だ。 関係を損なわぬよう政治問題化を避けて きた反捕鯨問題の対策を公約に掲げ、早 速その強化に乗り出してきたのだ。 実は、捕鯨問題は日豪間の数少ない対立 事項の一つで、日本の調査捕鯨やIWC 総会の時期には毎年延々と報道される国 民的関心事。 今回はギャレット環境相自ら、「クジラ の母と子が引き揚げられた」とする写真 を公開し、国際法廷提訴も辞さない構え を見せたことで、メディアは例年以上に 世論を煽った。 日本でも日豪関係の悪化が憂慮されたが、 ここは意見の相違が友人関係に影響しな いというお国柄、調査捕鯨と一般日本人 は切り離して考えているオーストラリア 人は多い。 新政権の強気な姿勢の背景には、公約が 国民に過剰な期待を抱かせたことと、日 本に対する経済的優位が高まって遠慮が なくなったことがある。
日豪関係は中国を意識する倦怠期に入った
オーストラリアにおける日本の存在感は、 相対的に下がりつつある。ハネムーン時 代は終わり、お互い中国を意識する倦怠 期に入ったのだ。 2007年、中国は日本を抜いてオース トラリアの最大貿易相手にもなった。 一方、日中の資源争奪戦のおかげで豪州 は超売り手市場の恩恵を享受していう。 経済面からの自信が今後の対日観にどう 影響しくかは新たな注目点だ。 民間交流も風向きが変わりつつある。年 間80万人を超えた日本人観光客数は、 2007年には57万人台まで落ち込み、 急増するアジア諸国からの訪問客の中に 埋没している。 逆に、強くなった豪ドルを頼みに、日本 への観光や投資は増加中だ。特にニセコ 人気に端を発するスキー熱は顕著で、そ の勢いは白馬などにも飛び火っしている。 2007年に日本を訪れたオーストラリ ア人は約22万人、国別では6位に付け る勢いだ。 それでも、大きな眼でみると、両国関係 は米軍再編を背景として強化されつつあ る。2005年、日本の自衛隊護衛のた めサマワへ豪州兵の派遣を決定した時に は「本当にそんなことまでしていいの?」 と思ったほどだったし、2007年の日 豪安全保障協力の共同宣言もその好例だ。
「エキゾチック・ジャパン」のイメージは古い
文化面においては、二つの新しい方向が 見え始めている。 一つは、中国や韓国など日本以外のアジ ア諸国との交流が進むことによって、ア ジア各国の文化的差異や諸習慣を区別で きる人が増え、日本文化の更なる理解や 再評価が進んだこと。 もう一つは、日本文化の現地化進んでお り、もはや異国情緒をそそる「エキゾチ ック・ジャパン」のイメージではなくな りつつあることだ。 特に後者の傾向は著しい。今や、人々が 和太鼓や俳句などの趣味のサークルに参 加する動機は、日本文化を学びたいとい うよりは、楽しいから、ストレス解消か ら、という気負いのないものだ。 現在、日本語教育全盛期に日本語を学習 した知日派の若者たちが社会の第一線で 活躍し始めている。 日豪両国は、世界の勢力均衡がが揺らぎ つつある中で、アジア太平洋地域におけ る政治安定と経済発展のために「居心地 の良かった貿易パートナー」から「苦楽 を分かあう戦略パートナー」へのハード ルを越えようとしている。 バブル時代の遺産ともいえる知日派ツナ ミ世代が、新しい日豪関係にどのような 道筋をつけ、次世代の日本のイメージ形 成にどんな影響を与えていくのか、期待 をもって注目したい。     * * * これほどまでに、バランスよく目配りの 利いた統合的なリポートを、私は読んだ ことがありません。なかでも、反捕鯨問 題のオーストラリア人側の視点が参考に なりました。 現在では、オーストラリア政府は、与野 党共同でシー・シェパード支援を表明し ています。 本文にも出てきたピーター・ギャレット 環境相(反捕鯨担当)は元グリーンピー スの理事。そして、イアン・キャンベル 元環境相は現在シー・シェパードの国際 諮問委員に就任しています。 それにしても、日本政府は、シー・シェ パードによる明白な犯罪行為に、なぜ、 弱腰なんでしょうか。 少なくとも、シー・シェパード所有の船 舶の寄港を容認しているオーストラリア 政府に、もっと厳重に抗議しないのでし ょうか???。 “第一線に就く知日派「ツナミ」世代“  の項は終了します。 (「ニッポンの評判」は続く)(N189-29)
不幸にも、シー・シェパードのショ
ッキングなニュースが入ってきました。 ―― 日本時間15日午前9時ごろ、水産庁に 入った連絡によると、南極海で米国の反 捕鯨団体シー・シェパード(SS)のメ ンバー1人が、日本の調査捕鯨船団の第 2昭南丸(712トン)に侵入した。 メンバーは乗り込んできた際に右手の親 指をけがしたが、軽傷。乗組員にけがは なく、船体の損傷もない。 同庁によると、侵入したのは、1月6日 (日本時間)に第2昭南丸と衝突して大 破した小型高速船アディ・ギル号(26 トン)の船長。水上バイクで近づき、気 づかないうちに乗り込んでいたという。 乗り込んだ船長は持っていた書簡を第2 昭南丸の船長に手渡した後、船内で保護 されている。その後、SSのスティーブ ・アーウィン号が近づき、日本人とみら れるメンバーが拡声機を使って「衝突の 責任は第2昭南丸にある。3億円を請求 する。ニュージーランドに向け航行せよ」 と日本語で書簡の内容を呼び掛けた。 ―― やれやれ、気狂い沙汰だではないか。

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反捕鯨?―日本人に鯨を捕るなという人々(アメリカ人)

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ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート (新潮新書)
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(目次) 第1章 「クール・ジャパン」へのまなざし ・第一線に就く知日派「ツナミ」世代―オーストラリア ・日本人よりも「日本通」な人々―ロサンゼルス ほか 第2章 「親日感」のさまざまな形 ・世界で一番の片思い―トルコ ・「日本人のふりをする中国人」が出没!―トンガ ほか 第3章 誤解と幻想を超えて ・ノキア社員が目撃した「傲慢な日本人」―フィンランド ・日本とイランを行きつ戻りつ―イラン ほか 終章 もうひとつの「美しき文明」 日本に抱く夢―フランス 以上

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◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆

有名な(famous adj.)
目に見えて悲惨な。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)