ソフト型文化とハード型文化

日本は無責任桃源郷(3)『英語と運命(4)』


<estelの記録帳 千葉 千葉ポートタワー
日本人の「はにかみ」について
「嫌悪」といっても、人々の動作や表情 や声や目の色に、何かがはっきりと表面 に表れることはないし、本人自身が「嫌 悪」を意識、意図しているわけではない。 心の奥の情念の固まりが、どこかでひっ そりと首を横にふりつづけているだけな のだが、消えさることはない。 もし、中津燎子さんが、ふつうに日本人 社会に生まれ育ち、ふつうの子供集団で もみくちゃにされながら大きくなってい たとしたら、人並みに日本独特の感覚を 身につけていて、この「嫌悪」の存在に 気づくことはなかったであろう。 中津さんが通っていたウラジオストック日本人学校では、十何人しかいなかっ た子供同士の会話は、日・露チャンポで、 お互いの「はにかみ」や「人見知り」な どというものとは縁がなかった。 「あの……」とか、「あのね」という会 話用の言葉を知らないままに育ってしま った。会話は書き言葉なので、母が、一 語一語「話し言葉」を教えてくれたが、 さいごには、とうざしのぎに「何か聞か れた時は、何もわかりませんから、ごめ んなさい、答えなさい」という始末。 中津さんが、日本の社会で、多くの人た ちと交流を重ね、数十年過ごすうちに、 長い間の謎だった、日本人の気質の原点 に気づいた。それれが、「はにかみ」、 「ためらい」、「人見知り」であった。 そして、中津さんには、その三点の感覚 が欠落していて、自分自身を、日本人と いうより「シベリアヒグマ」に近いこと を発見する。 そこで、「ヒグマ」から「はにかみ族」 を見ると、優雅な日本古来の王朝の人々 の姿を連想するという。 それは、昔、古代の人々が、たまたま他 所の部落の人々に出会った時に本能的に 見せたであろう「人づき合いの初歩」の 形になぞらえる。
なぜ、日本人は意味もなく笑うのか
中津燎子さんが、進駐軍占領時代、アル バイト通訳をやっていた時や、アメリカ に住んでいた時に、「日本人はなぜ、質 問されるたびに笑うのか?」というアメ リカ人側の質問に悩まされつづけていた。 最初は、「自分にも分からない」と答え ていたが」、少しは説明しようと、「英 語が分からなくて恥ずかしいのでは、な かろうか」と云うと、「恥ずかしいのに、 なぜ笑うのかね」とつっこまれ、「それ は、その人個人の性質かもしれない」と 逃げていた。 中津さんは、ソフト型文化の代表日本と ハード型文化の代表アメリカの文化の違 いをを並べた「異文化お互い様リスト」 を作成している。 主張よりも妥協が美点→主張は常識。 対立は喧嘩と考え相手に同化するのが常 識→対立は喧嘩ではない。 順応は賢明であって疑問を表明するのは 愚か→疑問を持つのは賢いことであり表 明するのが当然。 自分と他はいつも同じが望ましい→自分 と他は別個のもの。 情緒が濃く内省的→感情が烈しく外向的。 ものごとを分析せず不透明のまま成り行 きに任せる→分析するのが当たり前。 (続く) (N77-4)
英語と運命―つきあい続けて日が暮れて

英語と運命―つきあい続けて日が暮れて

<目次> プロローグ 好奇の虫 第1章 初期の音 第2章 九十平とウメ 第3章 不協和音ブルース三代記 第4章 ボルシチ語とみそ汁語 第5章 メシの種 第6章 朝鮮動乱と英語 第7章 秘訣は「WHY?」と「BECAUSE」 第8章 通訳の限界は皮膚下3糎か5糎 第9章 二人の神父と四人のボランティア 第10章 アメリカン・ドリーム 第11章 アメリカン「悪夢」 第12章 未来塾とヒグマ・ザ・モンスター 第13章 英語と日本人に関わる深い谷 第14章 無責任桃源郷 第15章 一トン爆弾と戦陣訓と東条英機 第16章 理想の英語学習プラン エピローグ 河内の里の最後のクラス
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