『英語と運命―つきあい続けて日が暮れて』(1)

『なんで英語やるの?』を読んだ方に、ぜひ

<estelの記録帳 窓辺から 夕焼け>
中津遼子さんが丸ごと分かる
 1974年(昭和49年)刊行、第5回大宅 賞受賞の『なんで英語やるの?』を読ん だ方には、ぜひとも、お勧めしたい本で す。英語を学ぶ根元的な意義を、これほ ど、胸にたたみ込んでくれた本はなかっ た。その時、ショックを受けまのを覚え ています。 なんで英語やるの? (文春文庫 な 3-1) 『英語と運命』では、中津遼子さんの人 生そのものと、英語との関わり合いが、 一つのドラマのように描かれています。 とにかく、おもしろいです。  著者の中津遼子さんは幼少時を旧ソ連 で過ごし、戦後は英語にかかわり10年間 の米国留学生活を送りました。  数奇な人生を経験した著者は、日本人 離れした発想で、日本語とは、日本人と 日本文化とは、戦争とは、国際社会とは、 などについて、ユニ―クな考えを披歴し てくれます。さらには、現在の英語学習 で失われたものについて、鋭く問題点を 指摘します。
中津 燎子さんについて
中津 燎子さんは、1925年(大正14年) 10月、博多生まれ。ノンフィクション作 家・英語発音訓練研究の「未来塾」顧問。 3歳から12歳まで、旧ソ連のウラジオ ストックで過ごし、戦後すぐに占領軍の 特別電話局で英語と出合って格闘し、56 年から65年まで米国で留学生活をすると いう、希有な経歴をもつ。 それらが影響してか幼いころから「日 本的」なるものへの戸惑いを抱えつつ、 だから「日本」のあるべきすがたを常に 確認しつづけてきた。 74年に『なんで英語やるの?』で第5 回大宅賞を受け作家活動を始めるととも に、「言葉の後ろにある文化を理解する ことなしに、言葉を学ぶことはでき ない」という考えから、異文化コミュニ ケーションを訓練する未来塾を創設した。 著書には、『母国考』、『風のシカゴ』 など多数。
唐突ですが、目を通してください。
第一位 「戦争と歴史をとことん検証せず、次世代  に伝達せず、ぼやかしてしまった全国民  の無責任」 第二位 「ハンセン病患者への差別のとんでもない  長さと執念と、徹底して治療の事実をひ  た隠ししたことの政府の無責任と、便乗  して日本国民の無責任」 第三位 「エイズに関わる血液製剤輸入に関しての  厚生労働省役人と大学教授の無責任」 第四位 「日本国の難民・移民受け入れ体制全般の  非人間的扱い方と、入国管理局職員の排  他的無責任」 第五位 「過去四十年にわたる、政府所属の全官僚  の税金泥棒的利得行為の無責任」 第六位 「官僚主導の企画事業の、無検査:無調査  ・無検証の無責任」 第七位 「個人としての無責任の最悪・最低の例と  して、自分の子供を生んでおいて、無力  の幼児を虐待して殺す罪」 第八位 「鬼親から虐待される子供たちの救出のと  庇護にあたるべき各児童相談所関係職員  の手おくれ、先送り、様子待ちその他の  不介入による殺人への無責任」 第九位 「雪印乳業事件と、内部告発した西宮冷蔵  をぶっつぶした業界ならびに社会の無責  任」 第十位 「あちこちの警察の裏金」 これは、本書第14章 無責任桃源郷からの 抜き書きです。なんで、なんで、英語の話 ではないのとの疑問には、続きをどうぞ。 <目次> プロローグ 好奇の虫 第1章 初期の音 第2章 九十平とウメ 第3章 不協和音ブルース三代記 第4章 ボルシチ語とみそ汁語 第5章 メシの種 第6章 朝鮮動乱と英語 第7章 秘訣は「WHY?」と「BECAUSE」 第8章 通訳の限界は皮膚下3糎か5糎 第9章 二人の神父と四人のボランティア 第10章 アメリカン・ドリーム 第11章 アメリカン「悪夢」 第12章 未来塾とヒグマ・ザ・モンスター 第13章 英語と日本人に関わる深い谷
第14章 無責任桃源郷
第15章 一トン爆弾と戦陣訓と東条英機 第16章 理想の英語学習プラン エピローグ 河内の里の最後のクラス 大書なので、長い付き合いになりそうです。 (N74-4)
英語と運命―つきあい続けて日が暮れて

英語と運命―つきあい続けて日が暮れて

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