遅すぎた羽田のハブ空港化
いまだに成田空港・滑走路「への字」迂回
＜estel の記録帳 東京の夜景 サンシャイン60 展望台へのエレベータ＞
さる７月30日のことですが、成田国際空 港のＢ滑走路（２１８０m）を２５００m 化する北伸事業に伴い、成田空港会社が 整備していた「東側誘導路」の供用が、 やっと、始まったのである。Ｂ滑走路と ターミナル地区を結ぶ２本目の誘導路で、 出発機専用の一方通行となる。 誘導路はこれまで西側に１本しかなく、 未買収地を迂回するため「への字」にカ ーブし、出発機と到着機は一時待機や交 互通行を余儀なくされてきた。 同空港の発着回数は年間２０万回から来 春には２２万回に増える予定で、新誘導 路は通行の順番待ちを解消する狙いがあ る。 成田空港会社よると、長さ２５００m の 東側誘導路も、依然として、未買収地を 避けて蛇行している。 いずれにせよ、Ｂ滑走路周辺の非合理的 なレイアウトは、成田空港の成立にまつ わるトラブルが、いまだ、解決されてい ないことの現実を露呈している。 一言でいうと、成田国際空港が欠陥空港 であることは、誰も否定できない。 その弊害を、もろに被っているのは、国 民であるし、利用航空会社も余計に燃料 を消費させられ、泣いている。 この責任はどこにあるのか、わかってい るが、真犯人は放免されている。 森田健作千葉県知事でも、さすがにこの 程度のことは認識しているらしく、７月 ９日、定例記者会見で、成田空港の未買 収地について、用地内の地権者に対して、 「早い段階で訪問したい」と述べている。 その後、進展はあったのかしらん。 森田健作知事はパフォーマンスではなく、 この問題の早期解決に向けて全力投球し て頂きたいものだ。参考：まず、地元の空港を正常の空港にせよ
ところで、前原誠司国土交通相が、羽田 空港を国際的なハブ（拠点）空港化する 方針を表明したことについて、森田健作 知事は13日、記者団に対し、怒りをあら わにして見せた。 「羽田空港と成田空港は、共存共栄が国 益だ。こんな理不尽なことが続けば怒り ますよ。冗談じゃない」と強い言葉で不 快感を示した。 森田健作知事は、誰に対して感情をブチ マケタのでしょうか。千葉県民に対する パフォーマンス（オレは地元のことで体 を張っているのだぞとの）に過ぎないと いうことが、図らずも、翌日、証明され てしまうのである。千葉県民もバカにさ れたものである。 森田健作知事は、14日に前原国交相を訪 ね、前原国交相が12日に大阪府泉佐野市 内で羽田のハブ空港化に言及したことに ついて、「頭にきて眠れなかった。成田 空港は大変な闘争があり血も流れ1978年 にやっと開業にこぎつけた。一つ一つ積 み重ねてきたものが、あの大臣の一言で パーですよ」。 私の聴く及ぶところでは、その時、前原 国交相は、羽田のハブ空港化に言及した けれども、なにも、成田空港の処遇につ いて、国際空港の役割を外すとか、ロー カル空港化するとかには、触れていなか ったと、覚えています。 森田健作知事の13日の怒声、14日の愛想 笑いとの変容ぶりは天才的である。さす がに役者である。 もし、森田健作知事に、エネルギーが有 り余るのであれば、狭い日本の国土に百 近い空港を建設し、ハブ空港問題どころ か、採算を度外視して飛行機を飛ばして きた政治家や役人と喧嘩してください。 (N70-4)
- 作者: 伊藤元重,下井直毅
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