細胞の老化の解明にノーベル賞

女性二人が同じ賞が初めて


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女性二人が同じ賞が初めて


5日に発表された2009年のノーベル医学
生理学に、米カリフォルニア大のエリザ
ベス・ブラックバーン教授、ジョンズ・
ホプキンズ大のキャロル・グレイダー教
授、ハーバード大のジャック・ゾスタッ
ク教授の3氏が受賞した。

授賞理由は、テロメアと、それをテロメ
ラーゼという酵素の仕組みの発見だった。
テロメアは染色体の末端に付いているキ
ャップのようなもので、染色体と染色体
とをくっつけさせることなく独立に行動
でき、らせん状になっている大切な遺伝
情報を保護する役目を担っている。ブラ
ックバーン教授は、テロメアを「靴ひも
の先端」に例える。先端のビニール製の
止め具がなくなると、ひもの糸がばらば
らにほどけてしまうという意味だ。

テロメアが染色体と細胞を老化から保護
する仕組みを解明したことが評価された。
ブラックバーン教授は、単細胞の繊毛中
「テトラヒメナ」のDNAを解析、テロ
メアの塩基配列を特定し80年に発表した。
さらに、グライダー教授とブラックバー
ン教授は84年にテロメアを作る酵素を見
つけ「テロメラーゼ」と名付けた。

36億年を経た死のプログラム


おや、この授賞、今頃になって、思った。
ノーベル賞というのは、その発見がなさ
れた時から、相当の時差があるのが多い。

私は、この受賞をふれて、すぐに、柳澤
桂子さんの著書『われわれはなぜ死ぬか
―死の生命科学』を思い起こした。

97年6月5日第1刷発行である。すでに、
テロメア、テトラヒメナ、テロメラーに
ついて詳細に記述されている。

本書は、生命科学者が、”死”とは、何
かと、渾身に取り組んだ衝撃の書である。
ノーベル賞をもらってもおかしない書で
ある。

今まで、生命の歴史については、よく語
られてきたが、”死の歴史”については
ほとんど語られてこなかった。生き残り
をかけた生命の進化は、同時に、死の機
構をも進化させてきたのだ。

DNAは受精の瞬間から死に向かう


なぜ、老化が起きるのか、死は生命にと
って、どのような役割を果たすのか、死
の本質にせまる。原因不明の病で死線を
さまよった科学者でなければ書けない冷
徹の書である。

この本を読むと読まないでは、人生のク
オリティが違ってくる。

染色体の壊れた方の一つに、アポトーシ
スと呼ばれるものある。

私たちの手には五本の指があるが、胎児
に手ができるときには、まず丸い肉のか
たまりが、からだの脇にもりあがってく
る。その先端部分で四本の筋を入れるよ
うに細胞が死ぬので、肉のかたまりに切
れ目が入って指ができる。この際の細胞
死がアポトーシスである。

私たちのからだのなかの、生と死の隣り
合わせが、ここにある。これは、なんと
いう不思議さだ。ただ、天を仰ぐのみ。
(N58-4)



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