ノートル・ダム大聖堂の精神性

NHK知る楽(水曜日)「こだわり人物伝」
(こだわり人物伝 2009年8ー9月 (NHK知る楽/水))
9月”森有正 還っていく場所”(4回)
を見終えた。思索の秋にふさわしく、自己を
みつめなおすよい機会を与えたくれた。



世界の中心で、愛をさけぶ」の作家・片山
恭一さんが、孤高の哲学者・森有正(1911−
76)の思想形成に大きな影響を与えた街パリ
を訪ねる。パリの街角の一隅で、森有正の思
想を咀嚼する片山さんを映すカメラワークが
実によい。パリにいますぐ行きたくなった。

世界の中心で、愛をさけぶ

世界の中心で、愛をさけぶ


哲学者・森有正は、東大助教授であった39歳
の時、戦後初の公費留学生としてパリを訪れ
る。家族と別れ、職も辞し、パリに生き、パ
リに逝った孤高の思想家である。パリで孤独
の極限を感じた森は、その中で「絶望」とい
う世界に陥った。
それは思索者・森有正にとって運命的なもの
であった。圧倒的な文明力を持つパリという
街を前に、森は「絶望」を抱く。それは日本
への、そして日本人である自分への「絶望」
であった。


哲学者のみる建築物は、唯の物体では、もう、
ない。同じノートル・ダム大聖堂であっても、
森がみるのは、精神の塊である。

≫フランスには名所など一か所もない。ノー
トル・ダムのカテドラルを何百回みても、そ
のたびにそれらは新しい姿であらわれる。ノ
ートル・ダムとは「経験」の表現なのだ。
毎日見ていたノートル・ダムが、そのときど
きの外面的な、それゆえ偶然的な印象を剥奪
され、内面に向かって透明になってくる。透
明になることによって、対象が対象そのもの
として内面に映りはじめる。一つの建築物で
あったノートル・ダムが、内面的に存在しは
じめる。あるいは言葉によって受け取ってい
た世界が破れ、その下から自分の感覚が直接
に触知する世界があらわれてくる。≪


この言葉に接して、私は、ノートル・ダム大
聖堂の何をみていたのか、と自問自答するの
である。

パリから列車でおよそ1時間のところにある
シャルトル大聖堂。森が何度も足を運んだ場
所である。悠久の時間の中、変わらず存在し
つづけるカトリックの大聖堂に対峙する中で、
森は自分自身の内面の変化を感じ取って行く。
生涯を通して自分の内面世界を常に見続けた。


片山恭一 氏。
1959年愛媛県生まれ。九州大学農学部卒。同
大学大学院博士課程中退。福岡県在住。198
6年に「気配」で文學界新人賞受賞。95年に
『君の知らないところで世界は動く』で単行
本デビュー。2001年『世界の中心で、愛をさ
けぶ』が300万部の大ベストセラーとなる。
ほかの主な著書に『満月の夜、モビイ・ディ
ックが』『ジョン・レノンを信じるな』『船
泊まりまで』『もしも私が、そこにいるなら
ば』『遠ざかる家』『最後に咲く花』『宇宙
を孕む風』など多数。
(N46-2)


生きることと考えること (講談社現代新書)

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森有正エッセー集成〈1〉 (ちくま学芸文庫)

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世界遺産 パリのノートルダム大聖堂-Cathedrale Notre-Dame de Paris HD映像素材


ABC News から
World News with Charles Gibson / Is Diplomat Sex Tape a 'Cold War' Trick?


Al Jazeera から
World leaders gather for UN General Assembly - 22 Sep 09


お疲れさまでした
Sheraton New York and Towers Hotel Room Video

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