大量の米国債が紙クズになる日 - 一日一尺一寸　本屋の小僧

９月15日の毎日新聞第一面のトップ記事の大
見出しが、たいへんユニークである。”強欲
が復活、ウォール街”と打ち、白抜き文字で、
”高額報酬、デリバティブ…「人間は忘れや
すく、熱狂しやすい」”のサブタイトルがつ
く。そして、特集記事「危機は今」リーマン
破綻１年／上（その１）の記事が続く。
　
さきに、米金融機関幹部は高額報酬を得てい
たのを、オバマ大統領は「グリード（強欲）
資本主義の象徴」と糾弾したのを、糾弾だけ
に止まませることなく、ぜひ、徹底取材を行
い、リーマン破綻の真相を伝えてほしい。　

米ゴールドマン・サックスは０９年４〜６月
期決算の報酬総額が６６億ドル（約６０００
億円）。市場が持ち直し最終（当期）利益が
３４億３５００万ドルと四半期決算で過去最
高を記録したためだ。一年経たずして約２万
９４００人の社員は３カ月で平均２２万ドル
を受け取る計算という。

昨秋投入された公的資金１００億ドルは６月
に返済したが、「税金を踏み台に高額報酬を
復活させた」と批判を浴びたが、彼らは何の
痛痒も感じていないでしょう。こんな相手に
汝ら聖人君子たれとノタマウ方が間違ってい
ます。

オバマ米大統領は１４日午後（日本時間１５
日未明）、世界的な金融危機の引き金となっ
た米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻か
ら１年を迎えるにあたり、ニューヨークで演
説した。大統領は「歴史を繰り返すことを許
してはならない」と述べ、金融危機の再発を
阻止する強い決意を表明し議会に提出した金
融規制改革法案を年内に可決するよう訴えた。

その一方で、金融界には「リーマンと金融危
機の教訓を学ぼうとせずに、無視しようとす
る」傾向があると指摘した。今回の危機の背
景には短期の利益や高額な賞与を追求した無
謀な行動があったとし、そうした利益偏重主
義が復活する危険があると述べた。

このため、大統領は透明性と説明責任を高め
る明確なルールが必要だとし６月に議会へ提
出した大恐慌以来約７０年ぶりの抜本的改革
となる金融規制改革法案の早期可決を訴えた。

同法案は、システミックリスク（連鎖破綻の
危険）を引き起こす恐れのある全金融持ち株
会社の監督を連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）
に」一元化。消費者金融保護庁の新設などを
柱とする。ＦＲＢの権限強化に金融界などが
反発しており、大統領は強い決意を表明する
ことで審議の加速を促した形だ。

一方、今月２４、２５の両日に米ピッツバー
グで開催される主要２０カ国・地域（Ｇ２０）
の金融サミット（首脳会議）に向けて、各国
間の金融規制のギャップを埋めるなど世界の
金融システム安定化に向けた政策協調を訴え
た。

本年７月５日第１刷の『仕組まれたアメリカ
解体の真実』のなかで、著者のフルフォード
・ベンジャミン氏は、すでに、世界経済危機
をして、今後一年で百年分の変化が起こると
警告を発しているのである。

2008年に端を発する世界金融危機も、各国政
府が行った必死の資本投入によって落ち着い
ているかのように見える。だが、本質的な問
題は全く改善されておらず、これから世界を
揺るがす金融や社会の大変革が起こるという。
独自の情報源を持ち、世界の裏事情に精通し
ている著者が、隠された真実とこれから起こ
る驚愕の展開を予測する。

著者の予測を１００％信じない人でも、本の
タイトル『仕組まれたアメリカ解体の真実』
に続くコピー『そして道連れになる日本』の
損失だけは、回避したいと思うのではないだ
ろうか。アメリカ一辺倒から、シフトする新
民主党政権にはこの点期待するところがある。

本書のプロローグにこうある。”世界には
「表の帳簿」と「裏の帳簿」が存在する。
「裏の帳簿」は貴族や王族、一部の金融資本
家のためにあり、一般社会の「表の帳簿」と
は数字の桁が違う。そして、その「裏の帳簿」
のトラブルが今回の世界経済危機のの台本な
のだ。”

ハーバード・ビジネス・スクールでは、こん
なことを教えているのかしらん。

＜目次＞
プロローグ今後一年で百年分の大変化が起こる
第1章オバマは“大統領役”を演じる役者にすぎない
第2章破滅を先送りにした“偽りの回復”のカラクリ
第3章全米で静かに進行している“アメリカ解体”への動き
第4章なお世界を混乱させ続けている“アメリカの戦争”
第5章闇の権力者たちが模索する“新しい金融制度”
エピローグ超エリートたちによる支配を終わらせるために

フルフォード,ベンジャミン氏。
1961年カナダ生まれ。80年代に来日。上智大
学比較文化学科を経て、カナダのブリティッ
シュ・コロンビア大学を卒業。その後再来日
し、日経ウィークリー記者、米経済誌「フォ
ーブス」アジア太平洋支局長などを経て、現
在はフリーランスジャーナリスト、ノンフィ
クション作家として活躍中。
（Ｎ36‐2）