民主党外交のアジア共同体政策は、どこへ

民主党外交政策は、近隣諸国との相互信
を踏まえながら、東アジア共同体を創造し
日本と米国が共に主体的に関与し行動する
日米関係を構築し、世界の平和と安定に積
極的に貢献し、アジア、わけても近隣諸国
と信頼関係を築くことが、日本外交の幅を
広げ創造的な外交を可能にすることを強調
している。

この東アジア共同体を創造しようという方
向性に対して、異を唱えるわけではないが、
そもそも、そのコンセプトが成立し得るの
か、だとして、その難易度を理解している
か否かの疑問が残る。東アジアを、現実の
ところ、纏めるのは、たいへん難しい。

ここで登場していただく小倉紀蔵氏は著書
日中韓はひとつになれない』(角川 one
テーマ21)の中で耳慣れない「東アジア共
異体」構想を展開している。

日本が、韓国、中国とともに東アジアに位
置するだけで、各国を一様のように思い込
み、無邪気に「共同体」という名称を使用
するのは、あらぬ誤解を招くおそれがある。
そこで、あえて「共同体」という発想を捨
てて、「共異体」というべき「まとまり」
を志向するのがよいとする。

この考えには、小倉紀蔵氏の経歴が大きく
関与している。1959年、東京生まれ。東京
大学ドイツ文学科卒業。電通でコピーライ
ターとして活躍後、ソウル大学哲学科に留
学。同大学院で博士課程単位取得。専攻は
韓国哲学。東海大学外国語教育センター助
教授を経て京都大学大学院准教授。著書に
歴史認識を乗り越える』などある。
NHKテレビ・ラジオ「ハングル講座」講師、
外務省「日韓友情年2005」実行委員をつと
める。

日本における東アジア共同体論の問題点は、
その推進者たちが、実は東アジアに対して
無知である傾向が強いところにある。むし
ろ、最初から関心すら持っていない人もい
るくらいである。内実は、東アジア蔑視論
者なのである。「東アジアをばかにするな」
という著者の叫び声がきこえてくる。

それには、民主党さんには、しっかり取り
組んでもらいたい。

目次

第一章 東アジア化する日本
 この十年は何だったのか?
 東アジア化する日本

第二章 中国・・・・・・鍋の蓋がない
 性善説がわからない日本人
 性善説はダイナミックな思想
 東アジアの性善説ライン
 中国における「性善説」の構造

第三章 韓国・・・・・・上も下も性善説の危険
 李明博大統領の時代/韓国はどこに向かっているのか
 「性善説国家」の危うさ/日韓関係は善意の競争へ

第四章 日本・・・・・・「メタ」から「ベタ」へ
 安倍政権と東アジア/価値のずれ
 「ベタくさい人間」と「メタくさい人間」

第五章 「韓流ファン」と日本の変化
 ペ・ヨンジュン人気の意味
 小泉元首相との連関性
 韓流ファンの誤解
 歴史認識問題をどう考えるか
 これからの韓流は

第六章 「東アジア共異体」へ
 東アジアをなぜつくるのか?
 誰が東アジアを構築するのか
東アジア共同体」ではなく「東アジア共異体」を
「未来志向」という誤解の種
「東アジア共異体」の中心は韓国
「ずれ」から「創造」へ

(N32)(N33休み)(N34休)





東アジアの変遷



BBCから
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お疲れさまでした
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