聴いているだけで英語が喋るれはホントか

白井恭弘著『外国語学習の科学−第二言語
習得論とは何か』(岩波新書)。社会に出
て、英語を仕事で駆使しなければならない
立場の人にお勧め。いまの自分の英語勉強
法が、理に適ったやり方なのかどうか、自
己判断の基準がつかめる。よく、聴いてい
るだけでペラペラ英語がしゃべれるように
なるという宣伝文句のコピーを見かけるが、
あれは非学的だ。

昨今、多くの外国語を学ぶメソッドやコツ
が巷に紹介されているが、果たして、それ
らは、どれだけの科学性を持っているのだ
ろうか。本書は、言語学、心理学、認知科
学などの成果を使って「外国語を身につけ
る」という現象を解明し、ひいては、効率
的な外国語学習の方法を導き出す、最先端
の「第二言語習得」研究の現在を紹介して
いる。

日本人にとって、どうすれば外国語が「身
につく」のだろうかは、深刻で永遠の問題
である。

外国語を使えるようになりたい、「ネイテ
ィブ並み」とはいわなくても、口頭であれ、
文章であれ、引け目と緊張を感じずに外国
人とのコミュニケーションができるとよい
と願っている人の多いが、なかなかうまく
行っていないのが現状だ。

「日本人は外国語が苦手」「やはり子供の
うちからでないと」「どうしても必要なら
何とかなるんじゃないか」といったことも、
すべて、そんな気がしているだけだ。

本書が紹介している「第二言語習得
(Second Language Acquisition:SLA)」論
は比較的新しく1960年代に始まった研究分
野である。言語学、心理学、認知科学など
の成果と連携しながら、「外国語を身につ
ける」という現象を科学的に解明し、ひい
ては効率的な外国語学習の方法を導き出す
ことを課題としている。実践的な要請の強
い学問分野だといえる。日本では特に英語
教育・日本語教育の実践者、研究者に注目
されている。

著者は、この分野でもっとも先進的な研究
者の一人で、第二言語習得理論の成果を一
般向けに紹介し、それを生かした実践面の
ヒントをも提供している。

著者の白井恭弘(しらい・やすひろ)氏は東
京生まれ。上智大学国語学部英語学科卒
業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(UCLA)修士課程(英語教授法専攻)、博士課
程(応用言語学専攻)修了、Ph.D.(応用言語
学)。専攻は言語学、言語習得論。大東文
化大学外国語学部英語学科助教授、コーネ
ル大学現代語学科助教授、同アジア研究学
科准教授などを経て、現在は、ピッツバー
グ大学言語学科教授、言語科学会(JSLS)会
長をつとめる。

第1章 母語を基礎に外国語は習得される
第2章 なぜ子どもはことばが習得できるの
      か−「臨界期仮説」を考える
第3章 どんな学習者が外国語学習に成功す
     るか−個人差と動機づけの問題
第4章 外国語学習のメカニズム−言語はル
         ールでは割り切れない
第5章 外国語を身につけるために―第二言
    語習得論の成果をどう生かすか
第6章 効果的な外国語学習法
(N29)


外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)


Second Language Acquisition in Under 5 Minutes.wmv



New York Times から




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