最高裁裁判官国民審査のこと

何時まで、衆院選の盲腸なのか。コストがか
かっても、独自に審査を行うべきだ。

衆院選とともに最高裁判所裁判官に対する国
民審査の結果を、皆さん、ご存じですか。9
人全員が信任されました。この件についての、
マスコミの報道量の少なさに、まず、驚きま
す。その記事を、目を凝らして探さないと、
見逃してしまいそうです。

素人ながら思うに、この審査は所期の目的を
果たしているのか、はなはだ、疑問です。

最高裁判所裁判官国民審査とは、日本におけ
最高裁判所裁判官を罷免するかどうかを国
民が審査する制度です。

国民審査の投票は、投票所で裁判官全員の名
前が書かれた用紙を受け取り、辞めさせたい
と思う名前の上の欄に「×」を書く。×の票
が有効票の半数を超えると罷免されますが、
過去20回で罷免の例はありません。前回
(05年9月)の審査では6人が対象となり、
不信任率は8・02〜7・63%(投票率
65・49%)。過去最も不信任率が高かっ
たのは1972年12月の故下田武三裁判官
に対する15・17%でありました。

いたずらに、最高裁裁判官を罷免するのが目
的ではありませんが、ふだん、国民が信任不
信任の情報を十分に与えられていない現状で
は、有効票の過半数を超えるという罷免条件
を満たすような投票結果は、まず、未来永劫
に起こり得ないでしょう。司法関係者ほど、
頭は良いのですから、そのことをよく分かっ
ているはずです。こんな茶番を、そのまま、
放置して、安閑としている当事者の神経を疑
います。

審査方式もシンプルではありません。信任の
意思表示をしようとして「○」を付けるとそ
の票は、無効になってしまいます。こんな人
間の生理に反した方式を考えた人は、どこの
どなたですか。期日前投票の期間(今回は
23〜29日)が極端に短く、ボロが出ない
内に、どさくさにまぎれて、信任を既成事実
にしてしまえということでしょうか。ご立派
な反論がありましたら、どうぞ。

さて、 総務省は、31日、最高裁判所裁判
官に対する国民審査の結果を発表しました。
それによっりますと、審査対象になった竹崎
博允最高裁長官と、8人の判事全員が信任さ
れました。有効票に対する罷免を求める率
(罷免率)は、ほぼ前回並みの6・00〜
7・73%でした。過半数からみれば、別世
界の数字です。

投票者数は前回より200万7404人多い
6945万4375人。投票率は前回を1・
33ポイント上回る66・82%でした。
衆院選の「1票の格差」を巡る07年の最高
裁判決にかかわったのは9人のうち3人。こ
の中で合憲とする多数意見を出した涌井紀夫
裁判官が罷免率トップに、同じく合憲とした
那須弘平裁判官が2位。一方、法律で国民審
査の期日前投票の期間が投票日7日前からと
規定され、衆院選より4日短いため投票でき
なかった有権者もおり、投票率衆院選小選
挙区(69・28%)より2ポイント以上低
いものでした。

氏名(出身)     罷免要求票数(率%)
桜井龍子(行政官)  4656462(6.96)
竹内行夫(行政官)  4495571(6.72)
涌井紀夫(裁判官)  5176090(7.73)
田原睦夫(弁護士)  4364116(6.52)
金築誠志(裁判官)  4311693(6.44)
那須弘平(弁護士)  4988562(7.45)
竹崎博允(裁判官) 4184902(6.25)
近藤崇晴(裁判官)  4103537(6.13)
宮川光治(弁護士)  4014158(6.00)



これだけに人数を煩わしておいて、この不合
理を無視して良いものでしょうか。
(N24)


司法に新しい流れも生まれています。参考書:

最高裁判所は変わったか―一裁判官の自己検証

最高裁判所は変わったか―一裁判官の自己検証


参考ビデオ:


WHITE HOUSE から:


AlJazeeraEnglish から: