眼力の試される日

きょう、いよいよ、第45回衆院選の投票日を
迎えた。国民の政治家を選ぶ眼力が試される
日でもあります。この眼力とは、物事の真偽
や善悪を見分ける力です。集めた情報を分析
して洞察し、物の本質を見極める、いわゆる
「目利き」とも言えます。これは経験知によ
って発達します。

ここで、眼力を明解に解説した石垣尚男著
「眼力の鍛え方」 (新潮新書) をご参考に。

眼力とは視力だけに限りません。眼には、動
体視力、瞬間視、眼球運動、周辺視野など、
その他にもさまざまな機能が備わっています。
スポーツ選手のセンスの良し悪しは、どこに
由来するのか。処方箋が示されます。

面白いエピソードがいっぱいです。

たとえば、川上哲次さんの残した有名な言葉
「ボールが止まって見える」に、本当にある
のだろうかと問われた落合博満さんは「オレ
はボールの縫い目ならはっきり見えるよ」と。

動体視力という概念を、私が少年のころの
指導者が知っていてくれたら、球技の苦手
な私は、スポーツ劣等生の烙印を押されな
くても済んだかもしれません。もっとも、
石垣尚男さんも、バレーボールで「顔面ブ
ロック」を受け、何度もメガネを飛ばされ
壊したそうです。

眼力は鍛えれば向上させることができるの
です。そのノウハウはスポーツの競技者だ
けでなく一般人にも利用できます。

石垣尚男氏は、1947(昭和22)年生まれ。愛
知工業大学教授。東京教育大学(現・筑波
大学)体育学部卒。医学博士。任天堂
『ＤＳ眼力トレーニング』監修者。専門は
スポーツと視覚の研究で、プロスポーツチ
ームへのアドバイスも行っています。
（Ｎ20）

眼力の鍛え方 (新潮新書)

見る力を実践で鍛える DS眼力トレーニング