戦慄的、衝撃的、そしたナルホド

2003年3月、小泉純一郎は、こぞって、国際
社会が攻撃開始計画を批判するなか、率先し
イラク攻撃を応援した。その2003年に、日
本の金が、どんどんウォール街に流れこんだ。


日本政府は、生命保険会社、銀行、郵便局な
どの日本の金融機関から、国債などの形で資
金を集めると、為替相場でのドル買いや米国
債の購入などで、アメリカ政府にどんどん金
を注ぎ込んだ。こうして、外貨準備高が67
兆円にも達し、そのうちの60兆円が、米国債
という売れない紙屑に化けてしまった。


一方、アメリカ政府は、日本からの大金を得
て、イラク戦費と、富豪優遇税制などの資金
に投入して、これが、ウォール街に流れて行
ったのである。



2001年、第1次小泉内閣において、民間人閣
僚として経済財政政策担当大臣。2002年、第
1次小泉内閣第1次改造内閣においても経済
財政政策担当大臣に留任し、金融担当大臣も
兼任する。2003年、第1次小泉内閣第2次改
造内閣においても留任、内閣府特命担当大臣
として金融、経済財政政策を担当した。



こんな竹中平蔵氏の発言内容は、何時も、聴
いている間は、プロの言うことなのだから、
そうなのかなと思いながらも、どこか、胸に
ストーンと落ちないところが多々あった。 



「日本の経済がなかなか元気にならないのは
改革をやり過ぎたからではなく、改革を止め
てしまったからだ。」
「今日の格差批判は、金持ちはけしからんと
いう社会主義的格差感であり、格差ではなく、
貧困の議論をすべきです。貧困が一定程度広
がったら政策で対応しないといけませんが、
社会的に解決しないといけない大問題として
の貧困はこの国にはないと思います。」
「民間でできることは民間でやることが国民
や国全体のためになるという思いでやってい
る。アメリカのためにやるなどと考えたこと
もない。」
「上場投資信託ETF)は絶対儲かる。」



こんなモヤモヤに終止符を打ってくれたのが、
広瀬隆著『資本主義崩壊の首謀者たち』 (集
英社新書 )である。

欲望を全開にし、一握りの人間達が世界中の
富を貪るそんなシステムを容認してきた結果、
世界経済は破綻したのだ。一九八九年にベル
リンの壁が崩壊して、ソ連共産主義は崩れ
去った。そして二十年が経ち、こんどは,ア
メリカの資本主義が大崩壊を始めた。AIG
シティグループなどの実質的な国有化からも、
そのことは明らかであり、国家による一連の
救済策は資本主義のルールではなく、社会主
義、共産主義のルールに則っている。



この重大な歴史認識を持つことから説き起こ
して、グローバリズム、金融腐敗という未曾
有の大混乱を、一体全体、誰が仕組んだのか
をことの真相を明らかにし、さらに国民の資
産を守るために、日本がとるべき新しい進路
を指し示している。

第1章 自作自演の仮面舞踏会に酔った金融
     大国                      
第2章 誰がこのような世界を創り出したか
第3章 日本がとるべき新しい進路


あすは、不当に待たされた第45回衆院選
開票。
今朝の新聞にも、第一面に民主党を批判した
自民党の3色突き出し広告が出ていた。その
コピーに、こうある。


よく考えてください。自民党


国民はそれほど馬鹿じゃありませんよ。

(N19)

資本主義崩壊の首謀者たち (集英社新書)

資本主義崩壊の首謀者たち (集英社新書)