松林要樹監督の「花と兵隊」を推薦します

NHKの<視点論点>で、松林要樹さんの映画
「花と兵隊」のことを知りました。弱冠30歳
の新人映画監督が、埋もれてしまいそうな太
平洋戦争の傷痕を、今の世に思い出させてく
れました。その存在さえ忘却の彼方へ消えさ
ってしまう一歩手前で記録した功績は大きい
です。

「花と兵隊」は、タイ・ビルマ国境付近で敗
戦を迎え、祖国に帰らなかった6人の日本兵
(未帰還兵)を描いたドキュメンタリー映画
です。撮影当時、松林要樹さんはまだ20代で
した。これが監督として最初の劇場公開作品
となりました。

大学を中退し、アジアや中東で貧乏旅行を体
験したました。その後、日本映画学校に入学。
そこの資料室で同校の創立者である今村昌平
監督のドキュメンタリー作品「未帰還兵を追
って」を観る機会を得ました。そのタイ篇は、
タイに住む3人の未帰還兵が、語る戦争観や
祖国への思いを描いたもので、その映画の出
演者、藤田松吉さん、中野弥一郎さん、坂井
勇さんが、今回の「花と兵隊」にも登場して
います。

1971年制作の「未帰還兵を追って」から30年
ほどを経て、同じ未帰還兵という題材を戦争
を知らない若者の視点から描いた「花と兵隊」
は、村昌平監督に捧げられています。


なお、松林要樹監督によるトークショーが開
催予定されています。

日時:9月5日(土)
  10:15の回上映後
  12:30の回上映前
場所:シアター・イメージフォーラム
渋谷区渋谷2-10-2 
電話:03-5766-0114

それにしても、いまの若者は素晴らしい。

男子二百メートル決勝で22歳のウサイン・
ボルトが1年前の北京五輪で自身が作った
記録を0秒11更新する19秒19 の世界新記録
を打ち立てました。
おめでとうございます。(N11)