日常に深く根ざした国民的スター『ドラえもん』
日常に深く根ざした国民的スター『ドラえもん』
｛その時に思った。この子は今日、遊びに来たんじゃなくて、 映画を観に来たんだなぁと。そう思うと何だか無性に嬉しく なって私は毎年この子と映画が観られたらいいな、と思った のだった。一緒に映画に行くことが以来暗黙の了解になった｝
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(３３)
《３ 四次元の世界へ》から あしたも、ともだち◇（その３）日常に深く根ざした国民的スター『ドラえもん』
わざわざ言うなんて変なの、という程度
◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆
●電力会社は警察に叩かれ暴力団排除に重い腰を上げたばかりだ
///東電福島発事故避避難者１１万３０００人の苦難を想いつつ……
◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(３３)
《３ 四次元の世界へ》から ◇あしたも、ともだち◇（その３）日常に深く根ざした国民的スター『ドラえもん』
わざわざ言うなんて変なの、という程度
《「 ・ドラえもん (40) (てんとう虫コミックス)ドラえもん (40) (てんとう虫コミックス) 恵子ちゃんは、私のそんな仲良しの一人で、 普段から「『ドラえもん』が好き」とよくい っていたので、映画に行くメンバーにはいつ も入っていた。 私たちの日常はあまりに深く根ざした国民的 スター『ドラえもん』に対しては、みんなが 好きで、当然だろうという認識でいたから、 恵子ちゃんのいう「好き」にも、そんなに注 意を払っていなかった。わざわざ言うなんて 変なの、という程度。 けれどある年、映画を観終えた帰り道、恵子 ちゃんが雑貨屋に行くとみんなと別行動して、 本屋さんに行きたがった。 私がついて行くと、彼女はそこで嬉しそうに、 当時最新刊だった『ドラえもん』四〇巻を手 に取り、お会計に持って行った。 映画を観に行くと言うとお小遣いがもらえる ので、その時に買おうと思って、今日を待ち わびていたことを教えてくれた。 その時に思った。この子は今日、遊びに来た んじゃなくて、映画を観に来たんだなぁと。 そう思うと何だか無性に嬉しくなって、私は 毎年この子と映画が観られたらいいな、と思 ったのだった。一緒に映画に行くことが、以 来暗黙の了解になった。 」》 ◎よく、わかるなぁ。恵子ちゃんが、嬉しそ うに、最新刊『ドラえもん』四〇巻を手に取 り、会計にそそくさと持っていた様子が、目 に見えるようです。 私が白土三平『カムイ伝』を追いかけていた 時期を思い出しました。『月刊漫画ガロ』に 1964年12月号から1971年７月号までの全74回 が掲載された時には、まだ、知らなかったの ですが、知人の勧めから、1967年発売のゴー ルデンコミックス『カムイ伝』全21巻を買い 続けるようになり、すっかり『カムイ伝』の 虜になってしまいました。 第1巻・夙谷の巻（初版1967年５月10日/1967 年４月18日発売）から、月いちのペース毎月 発行されたのですが、ボヤボヤしていると、 売り切れてしまうので、何は差し置いてもそ の日は本屋に直行しました。 第21巻・滄海の巻（初版1971年10月10日/1971 年9月28日発売）を手にした時の感激は、一生 にそうないものでした。
『カムイ外伝』予告編
【原作：白土三平 監督：崔洋一 共同脚本：宮藤官九郎 主演：松 山ケンイチ 話題沸騰、史上最高の忍者コミック、待望の実写映画化!! 日本映画最大級の超大型アクション・エンタテインメント、 9月1 9日全国ロードショー！ タグ: カムイ外伝 松山ケンイチ 白土三平 崔洋一 宮藤官九郎 小雪 伊藤英明 小林薫 佐藤浩市 大後寿々花 土屋アンナ 芦名星 イーキン・チェン】映画カムイ外伝 Ⅰ 9/20 (※制作秘話満載です)
(TheKansaijin さんが 2009/09/23 にアップロード) （つづく） (Y237-100) **『ネオカル日和』 単行本: 280ページ 出版社: 毎日新聞社 (2011/11/25) 《待望の初エッセイ集！ 大好きがいっぱい！ 【ネオカルチャー】辻村深月が独断と偏愛で選ぶ日本の 〈今〉を象徴する、おもしろいもの、かわいいもの、お いしいもの、ヘンなもの、そんなものぜんぶ。 国民的マンガからパワースポットまで、“ネオカル” の現場を人気ミステリー作家が潜入！辻村深月のマニ アックなこだわりとキュートでトホホな日常を綴る初 ルポ＆エッセイ集》〔表紙帯から〕 〔目次〕 １ ネオカルチャー新発見 (支えは藤子・F・不二雄さんの人格 ドラえもん レッツ・のう能!のうのう能 ほか) ２ おおむね本と映画の宝箱 (私をまっすぐ映すものオマージュのための ショートストーリー&エッセイ ほか) →３ 四次元の世界へ (あしたも、ともだち世界で一番好きなラブ ストーリー『パーマン』 ほか) ４ 特別収録 ショートショート&短編小説 (彼女のいた場所写真選び ほか) ５ 女子とトホホと、そんな日々 (a day in my life 私をハイにする…― ウッカリショッピング ほか) 〔著者〕 ☆辻村 深月(つじむら・みづき)☆一九八〇年ニ月ニ十九日生まれ。山梨県出身。千葉大学 教育学部卒業。二〇〇四年に『冷たい校舎の時は止まる』 で第三十一回メフィスト賞を受賞しデビュー。二〇一一 年『ツナグ』で第三十ニ回吉川英治文学新人賞受賞。他 の著作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』 『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』 『名前探しの放課後』『ロードムービー』『ゼロ、ハチ、 ゼロ、ナナ。』（第一四ニ回直木賞候補作）『V.T.R.』 『光待つ場所へ』（以上、講談社）、『ふちなしのかが み』『本日は大安なり』（以上、角川書店）、『オーダ ーメイド殺人クラブ』（集英社）『太陽の坐る場所』 『水底フェスタ』（以上、文藝春秋）など多数。新作の 度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者 からの熱い支持を得ています。
『ネオカル日和』〈著者〉辻村 深月(３３)
◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆
☆鈴木智彦『ヤクザと原発 福島第一潜入記』文藝春秋刊(２１)
《「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる！」 某地方の暴力団組長 −暴力団専門ライターが実際に動いたからこそ 書ける原発という巨大なシノギ− 「原発は儲かる。どでかいシノギだな。電力会社と交渉して、 ゼネコンと話付けて、地元の土建屋に仕事を振る。代紋な しではとても捌ききれん。原発はタブーの宝庫。裏社会の 俺たちには、打ち出の小槌となるんだよ」。ヤクザが語る 衝撃の事実。日本最大のタブーがいま明かされる！ ―誰も書けなかった 命懸けの衝撃ノンフィクション―》 【表紙帯から】・墓の移転でがっつり・（その３）
●電力会社は警察に叩かれ暴力団排除に重い腰を上げたばかりだ
《「――元ヤクザが続ける。 「駆け出しのヤクザでも１０人集めれば月に６００万円だ。ベンツだ ろうがロールス・ロイスだろうが乗り放題だ。バブルがはじけて、単 価が下がってくっと、適当にやってた人夫出しの会社がバタバタ倒産 したけどね。真面目なヤクザなんてそういねぇから。 それでもヤクザを大事にしてくれる人種……ヤクザ大好きな社長って のが必ずいて、助けてくれたんだ。ヤクザとかカタギとか、そんな線 引き、当時の原発にはなかったね。 いまはさすがにうるさくなって、それなりの対策はとってるだろうけ ど、この狭い街で、昔からの付き合いをすっぱり切るなんて、簡単な ことじゃない。警察が叩けば叩くほど見えなくなるだけで、郷土愛で 結ばれた仲間意識は消せない。 なにか不祥事があり、それが新聞沙汰になっても、東電が怖いのは、 世論からの批判だけ。どの協力企業も、一度二度、そういった不始末 を起こし、名前を変えて再出発しているし、元請けだってそれは分か っている。 実質、ヤクザの会社であっても、兄弟や親戚を社長にすればいいだけ だ。狭い田舎なんだから、隠そうたって無理が話で、それは暗黙の了 解だ。もともとみんな仲間内なんだから。親戚や友達、先輩後輩…… 地域が全体グルと思っていい」 暗黙の了解……その後も原発取材で嫌というほど聞かされた言葉であ る。暴力団でも企業あっても、さも当たり前のようにこのフレーズを 繰り返す。暴力団にとって、原発のようにダブルスタンダードと隠蔽 体質の上に成り立つ産業は、最高のユートピアかもしれない。 事実、原発を運営する電力会社は、警察に尻を叩かれ、ようやく暴力 団排除に重い腰を上げたばかりだ。 ――》ヤクザと原発 福島第一潜入記・文藝春秋 (2011/12/15) ・〈目次〉・ →序 章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」 第１章 私はなぜ原発作業員となったのか 第２章 放射能vs.暴力団専門ライター 第３章 フクシマ５０が明かす「３・１１」の死闘 第４章 ついに潜入!1Fという修羅場 第５章 原発稼業の懲りない面々 終 章 「ヤクザと原発」の落とし前 ・「シノギ（しのぎ）- 日本語俗語辞書」・ ◎東京電力ホームページ「TEPCO ダイレクト」にこんな記事が載って いました。何を物語っているのでしょうか。自明劃然たり。 「福島第一原子力発電所・暴力団等排除対策協議会」の設立について 平成23年７月19日 東京電力株式会社 本年３月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、被害を受け られた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 当社は、警察庁のご指導とご協力により、福島第一原子力発電所に おける治安対策として、復旧工事に携わる協力企業および警察当局と の連携を強化し、暴力団等の排除をさらに徹底するため、「福島第一 原子力発電所・暴力団等排除対策協議会」を７月22日に設立すること になりましたのでお知らせいたします。 １．目的 （１）暴力団員等による不法・不当事案の防止および暴力団員等を 排除するための情報交換・啓発活動を実施 （２）警察および暴力追放運動推進センターが行う暴力団排除活動 に対する連携を強化 （３）協力企業から表明確約書の提出を受け反社会的勢力との関係 遮断を強化 ２．組織 ・会 長 東京電力株式会社 総務部部長（予定） ・副会長 元請企業のうち、建設会社やメーカー等の３社（予定） ・会 員 復旧作業に携わる主な元請企業（23社） ３．顧問 警察庁、警視庁、福島県警察本部、暴力追放運動推進都民センター、 福島県暴力追放運動推進センター、東京３弁護士会民事介入暴力対 策委員会、福島県弁護士会民事介入暴力対策委員会 以 上
///東電福島原発事故避避難者１１万３０００人の苦難を想いつつ……
◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆
☆佐藤栄佐久 『福島原発の真実 』(平凡社新書) ☆（６６）
《嘘と欺瞞のメルトダウン。すべての議論はここから始まる！ 国が操る「原発全体主義政策」の病根を知り尽くした 前知事がそのすべてを告発》【表紙帯から】▼△第１章 事故は隠されていた（１）△▼
・炭鉱の廃鉱に不法投棄（その１）・
●産廃処理には、間に暴力団がからんでいることも多かった
《「――私は一九八八年九月の選挙で、参議院議員から県知事に転じ た。その直後持ち上がった大きな問題があった。 産業廃棄物の大規模な不法投棄である。 浜通りのいわき市荷路夫（にちぶ）、沼部で、炭鉱の廃鉱に、廃油を 主とする産業廃棄物が大量に棄てられる事件が発覚した。 常磐炭田は福島県双葉町からいわき市、茨城県日立市にかけての地下 に広がり、縦横に堀り進めた坑道から石炭を産出していた。 六〇年代になると日本のエネルギー政策転換で廃鉱が進み、常盤炭鉱 は生き残り策として石炭堀りの悩みの種だった温泉を逆に利用して、 「常盤ハワイアンセンター」を開業した。 当時の日本人のあこがれだった「ハワイ」をテーマにフラダンスショ ーなどを開発した草創期のエピソードは、近年のヒット映画『フラガ ール』（二〇〇六年、李相日監督）で広く知られるようになった。 しかし、そのまま放置されていた廃鉱に目をつけた産廃業者が、廃油 の不法投棄を始めた。最初はドラム缶に詰めた廃油を捨てていたが、 そのうち、なんとタンクローリーを横付けして、廃坑の入り口から廃 油を流しこむようになっていたのである。 八八年度の産業廃棄物の総量は七一万四〇〇〇トンに過ぎない。つま り、把握されていない不法投棄がかなりある。 当時の産業廃棄物処理業を規制する法律として、「廃棄物の処理及び 清掃に関する法律」があった。しかし、この法律は明治時代に成立し たもので、規制は業者の登録にとどまり、何をどのうように廃棄して いるかというプロセスについては規制外であった。 そのため産廃処理業者は、競って安価で処理を請け負ったが、コスト が出ない分は不法投棄で利益を出していた。間には暴力団がからんで いることも多かった。 ――》福島原発の真実 (平凡社新書)・平凡社 (2011/6/23) ◎ここにも、暴力団が顔を出してきました。
フラガール 予告
(arming35 さんが 2008/04/06 にアップロード) 【Hula Girls (2006) Trailer Director： 李相日監督 Sang-il Lee Cast: 松雪泰子 Yasuko Matsuyuki 豊川悦司 Etsushi Toyokawa 蒼井優 Yu Aoi 山崎静代 Shizuyo Yamazaki】≪都会歳時記≫
[都市・現代の視座１０００句]句集 古家 元「文學の森」刊]〔春〕生活 着陸し旅客機花の窓となる
http://shop.bungak.com/products/detail.php?product_id=143◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆
アンブローズ ビアス (著)、Ambrose Bierce (原著)、 西川 正身 (翻訳) 責任(responsibility n.) 自分の肩から取り下ろして、神なり運命なり宿命な り廻り合わせなり、あるいは隣人なりの肩へ容易に 移すことのできる重荷。占星術が行われていた時代 には、星に肩代わりをしてもらうのが普通だった。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)☆★☆言えそうで言えない英会話表現☆★☆
すべて運に任せよう。
◎◆◎アートのたのしみ《英国篇》◎◆
ローレンス・アルマ＝タデマ“モーゼの発見”
(The Finding of Moses)（1904年・個人蔵） ◎モーゼは、紀元前一三世紀頃の人物で、古代イスラエル 民族の伝説的指導者です。旧約聖書「出エジプト記」によ ると、エジプトでのイスラエル人の窮状を見て、彼らを率 いてエジプトを脱出し、40年の荒野放浪ののち、約束の地 カナンへ導きました。この絵画は、旧約聖書「出エジプト 記」２章による、モーゼ出生の一場面を描いています。 エジプト王はユダヤ人が増えるのを好まず、ユダヤの新生 児を、すべて殺すよう命じました。モーゼもその頃、エジ プトに生まれたユダヤの赤ん坊でした。モーゼの母は子ど もを殺すにしのびず、葦で編んだ籠に入れてナイル川に流 しました。その時、川に遊びに来ていたファラオの王女が 見つけて、ユダヤ人だとうすうす感じましたが、モーゼ （川から引き上げた子）と名付け、我が子として宮廷で大 切に育てたのです。 アルマ＝タデマが描いた「モーゼの発見」は、土木技師サ ー・ジョン・エアードが、ナイル川にアスワン・ダムを建 設という大事業を成した記念に、902年に注文した作品で、 完成まで２年かかりました。画面右奥にうっすらとピラミ ッドが見えます。また咲きみだれているうつくしい青い花 は、デルフィニウムです。 ◇ローレンス・アルマ＝タデマ （Lawrence Alma-Tadema, 1836年1月8日 - 1912年6月25日） イギリス、ビクトリア朝時代の画家、ラファエル前派。 オランダ、 ドゥロンレイプ生まれ。1852年、アントワープの美術アカデミーに 入学。1863年、新婚旅行でポンペイへ旅行し、これを機にエジプト、 ギリシア、ローマの古代世界に関心をもつようになります。パリに 移住したのち、普仏戦争を逃れて1870年にロンドンへ渡り、73年に イギリスに帰化。1879年にはロイヤルアカデミー正会員。
