いやしくもジャーナリストなら石原発言の真意を伝えよ
昨日、新聞各紙に“石原知事「天罰」発言撤
回」”の見出しがおどっていました。
こんな惨事の最中、こんな見出しの記事を、
鬼の首でも取ったように、わざわざ、あらた
めて載せる必要があるのでしょうか。記者の
見識を疑います。
それも調べてると、記者会見席上で、ある記
者が、
石原都知事に、「天罰」の発言撤回を
詰め寄っているのです。会見に出席している
くせに、
石原都知事の言わんとした趣旨をま
ったく理解出来ていないのです。なんのため
の記者会見ですか。
話のコンテクストから、判断して、この言葉
は被災者に向けられた言葉ではないことは、
明々白々では、ないですか。言葉りじりをと
らえて、発言者の意図を抹殺して、失言に小
躍りして、おもしろがって、記事をこさえる
のは記者にあるまじき行為です。
石原都知事の使った「天罰」という言葉は、
確かに不適切です。また、石原氏は過去にも
不適切な発言をしています。
それでも、私は、このたびの石原氏の発言を
擁護します。石原氏の心情が痛いほど分かる
からです。「天罰」は「天啓」でもあるんで
すよ。
それにしても、なぜ、「天罰」という言葉が
ほとばしったのでしょうか。石原氏の
国難を
憂う心情が、膨大なエネルギーとなって暴発
したんですよ。これくらいのこと、会見席上
に臨んでいて忖度出来ないものでしょうか。
そうして、もういちど、関連記事を読んでみ
ます。
◇
石原都知事、「天罰」発言を撤回し謝罪
【
毎日新聞 2011年3月14日】
東京都の
石原慎太郎知事は14日、東日本大
震災に関連し「我欲に縛られ政治もポピュリ
ズムでやっている。それが一気に押し流され
て、この
津波をうまく利用してだね、我欲を
一回洗い落とす必要がある。積年たまった日
本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だ
と思う。被災者の方々、かわいそうですよ」
と発言した。
蓮舫節電啓発担当相から節電への協力要請を
東京都内で受けた後、記者団に語った。多く
の犠牲者が出ている災害を「天罰」と表現し
たことが、被災者や国民の神経を逆なでする
のは確実だ。
石原氏は「天罰」発言の前段として「去年一
番ショックだったのは、おじいさんが30年
前に死んだのを隠して年金詐取する、こんな
国民は世界中に日本人しかいない。日本人の
アイデンティティーは我欲になっちゃった」
と述べていた。また「残念ながら無能な内閣
ができるとこういうことが起きる。(95年
の
阪神大震災の際の)村山内閣もそうだった」
とも語った。【青木純】
いかかでしょうか。虚心坦懐に読めば「天罰」
が主体でないことがわかります。