『17歳からの死生観 高校生との問答集』(1)
〈著者〉山折 哲雄 (やまおり てつお)
・どこからも聞こえてこない言葉「殺すな!」
・大昔から、人は人を殺し続けてきた
・毎日、動物や植物の命を奪って食べている
『17歳からの死生観 高校生との問答集』(1)
日本人の心から、死者への尊厳はどこへ
消えてしまったのでしょうか。
東京足立区で、生きていれば、111歳
とされた男性がミイラ化した死体で発見
された事件。言う言葉もない。
そして、所在不明高齢者の報道。所在が
わからない100歳以上の高齢者は、全
国で57人にのぼり、
長崎県 では、驚く
ことに、1810年(文化7)の男性の
戸籍が残っていたという。
生きていたら200歳。
こうした状況の日本に生を受ける人間の
一人として、『17歳からの死生観』を
読むことにしました。死をしっかりと、
みつめてみたい。
チベット に鳥葬という葬儀があります。
魂が解放されたあとの肉体は、
チベット
人は、たんに肉の抜け殻に過ぎないと考
えます。
その死体を郊外の荒地に設置された鳥葬
台に運びます。それを裁断し断片化して
ハゲワシなどの鳥類に食べさせるのです。
これは、死体を断片化する事で血の臭い
を漂わせ、鳥類が食べやすいようにし、
骨などの食べ残しがないようにするため
に行うものです。
鳥葬は、天葬とも空葬とも呼ばれ、多く
の生命を奪って、それを食べることによ
って生きてきた人間が、せめて死後の魂
が抜け出た肉体を、他の生命のために布
施しようという思想です。
死体の処理は、鳥葬を執り行う専門の職
人が行い、骨も石で細かく砕いて鳥に食
べさせ、後にはほとんど何も残りません。
チベット 高地で鳥葬が一般的になった理
由のひとつに、大きな木がほとんど生え
ない
チベット 高地で火葬を行うための薪
の確保が困難だったこともあります。
さいしょ、鳥葬の写真を見たときは、衝
撃を受けましたが、気持ちが悪いという
のではなく、なにか厳粛な気持ちをいだ
きました。
ちなみに、日本での
風葬 の始まりとして、
聖武天皇 の皇后様で、仏教の篤い信仰者
であった
光明皇后 (760没)が崩せられた
とき、遺言によって遺骸は野辺に捨てさ
せ、雨露にさらさせたと伝えられていま
す。深甚なる布施の心からです。
本文に入ります。
「殺すな」という言葉(第三章 無常観から考える)
どこからも聞こえてこない言葉「殺すな!」
「
今日は重たい問題を考えすぎて肩が凝っ
て仕方がない。それでもこれは笑いなが
ら話せることでもない。
致し方ないから話しを続けますが、最近、
少年少女による凶悪な犯罪が多発してい
ます。
少年たちの犯罪だけではなしに親の犯罪
と連動している。まさに時代は親殺し、
子殺しの時代だ。
これだけ残虐な殺人事件、人殺しの事件
が発生しているのに、どこからも「殺す
な!」という言葉が聞こえてこない。
聞こえてきますか、諸君。
新聞のどこに出てきますか? 政治家が
選挙演説のときに「殺すな」と言ってい
ますか。経済人がどこで言っているかな。
これだけ殺人事件が多発しているにもか
かわらず、誰も「殺すな」という言葉を
口にしなくなっている。
もっとも不思議なのは、宗教家が言わな
いことだ。一番言わなければならない宗
教家は一言も殺すなと言っていないでし
ょう。
不思議な現象ですよ。なぜ言わないのか。
それは言えないからです。その原因を考
えてください。
大昔から、人は人を殺し続けてきた
実は、文明が発生してから、三千年、四
千年前から、もっとも重要な言葉として
言われ続けてきたのが、「殺すな」とい
う言葉です。
たとえば仏教では、
ブッダ が「殺すな」
と言っている。仏教経典に出てくるもっ
とも大事な言葉の一つが「殺すな」です。
「嘘を言うな」「ものを盗むな」。三大
戒律ですよ。
仏教だけじゃない。
旧約聖書 の中に預言
者モーゼという人が出てくる。
モーゼの「
十戒 」という戒律があります
が、その中に出てくるのも「殺すな。盗
むな。嘘を言うな」です。人間は大昔か
ら「殺すな、殺すな、殺すな」と言って
きた。
とこらが、現実の人間はどうです。人類
の歴史が教えているように、人間は殺し
続けてきた。
戦争で人を殺し、犯罪で人を殺し、その
他さまざまな理由に基づて、人が人を殺
し続けてきたんだ。
いくら
ブッダ が殺すなと言っても、モー
ゼが殺すなと言っても、殺すことをやめ
ることができなかったのが人間の悲しい
運命です。
毎日、動物や植物の命を奪って食べている
ブッダ やモーゼの言ったことを裏切り続
けたきた。これが人類の歴史だ。
それでは、裏切るほかになかったような
「殺すな」という言葉を、二度と使われ
なければよかったじゃんないかと思うん
だが、人類はそれでも二千年、三千年の
間ずうっと「殺すな」と言い続けてきた。
不思議ですよ。毎日のように裏切ってい
るわけですよ。たとえ人間を殺さなくて
も、牛や馬は殺して食べている。食べ続
けてきた。
今日の我々の感覚からすれば、動物だっ
て命でしょう。もちろん命だ。
植物だって命でしょう。大根を食べ、野
菜をたべ、ニンジンを食べて我々は生き
ている。植物の命を奪って食べているん
ですよ。
我々は毎日、普通の生活をして生きてい
くためにどれだけのものを殺しているか。
そういうことまで
ブッダ は言っているわ
けですよ。
二千五百年も昔に。それでもなお、「殺
すな」ということを言い続けてきた。
いったいどうしてなんだ。
」
(続く)
(M21-6)
『17歳からの死生観 高校生との問答集』(1)
『17歳からの死生観 高校生との問答集』
単行本: 256ページ
出版社:
毎日新聞社 (2010/2/24)
生きることは死ぬことであり、死ぬことは同時に生きることだ。
「
宮沢賢治 」「日本人」「無常観」「非暴力思想」の四つのテ
ーマから、
宗教学者 である著者が「生死の哲学」について語っ
たメッセージのまとめ。全国の高校生を対象に行なわれている
「日本の次世代リーダー養成塾」の六年間の講義を、質疑応答
まで含めて完全単行本化した。
[17歳 vs.78歳]、生死の哲学を上記4つの柱から考える。
<目次>
第1章
宮沢賢治 から考える
(「気違い賢治」、風と黒マント ほか)
第2章 日本人から考える
(三つのキーワード、心の時代変化 ほか)
第3章 無常観から考える
(被災者の微笑、この世の三原理 ほか)
第4章 非暴力思想から考える
(ガンディーと三等車、二つの非暴力主義 ほか)
以上
『日本の次世代リーダー養成塾』のこと
東京都港区赤坂1-14-5-S802
日本の次世代リーダー養成塾
電話番号 03-3505-0906
塾 長
米倉弘昌 /
社団法人日本経済団体連合会 会長
塾長代理
榊原英資 /
青山学院大学 教授
事務局長 加藤暁子
あなたは、日本人としての誇りを持っていますか。
海外に一歩飛び出してみると、外国の人々から日本に
ついて矢継ぎ早に質問されます。そんなとき、日本の
文化や歴史をいかに知らないか愕然とします。「国際
人」という言葉がよく使われますが、国際人たる前に
「日本人である」自覚が必要です。
高校生のための日本の次世代リーダー養成塾 | 全国の高校生対象
十戒 とは、
モーセ が神から与えられたとされる10の戒律のこと。
モーゼの十戒 、十の言葉とも呼ばれる。二枚の石板からなっている。
<
カトリック 教会・
ルーテル教会 の場合>
わたしはあなたの主なる神である。
1.わたしのほかに神があってはならない。
2.あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
3.主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。
4.あなたの父母を敬え。
5.殺してはならない。
6.姦淫してはならない。
7.盗んではならない。
8.隣人に関して偽証してはならない。
9.隣人の妻を欲してはならない。
10.隣人の財産を欲してはならない。
わたしが死について語るなら 山折 哲雄 (単行本 - 2010/3/16)
「死の問題を考えつづけることは 生きることの意味、
命の大切さを知ること」
新しく家族となりし幼な子に一字遺して君は逝きけり
京嶋佳誉子(61歳)
兵庫県
平成万葉集
☆☆ヨーロッパ古城巡り☆☆ フランス
Le chateau d'Epinac
est situe sur la commune d'Epinac en Saone-et-Loire, sur la pointe
du plateau, en avant du bourg. Il domine de sa haute silhouette la
large vallee de la Dree.
Château d'Épinac — Wikipédia
マルタン 君物語 (
ちくま文庫 )
★米国ゴルフコース見参ハワイ州 Kauai Golf Courses★
Princeville Golf Club,
Makai (Ocean) Course
5-3900 Kuhio Hwy
Princeville, HI 96722
(808)826-5010
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Makai (Ocean))" Flyover Tour :
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