「国はわたしが思うほど、わたしたちを思ってくれない

アメリカのスーパーエリート教育』(17)

〈著者〉石角完爾(いしずみ・かんじ)

第1章 アメリカパワーの源泉は教育にある――教育こそ国力なり

・国はわたしが思うほど、わたしたちを思ってくれない
・二つの教育方式が併存しない国は衰退する
・対象的な、日本とインドの教育方式

アメリカのスーパーエリート教育』(17)

国はわたしが思うほど、わたしたちを思ってくれない
9月15日、「核なき世界」を掲げているア メリカ・オバマ政権で、初の臨界前核実験が、 ネバダ州の実験施設で行われていたことを覚 えておられますか。 臨界前核実験は、06年以来4年ぶり、通算 24回目となります。 思い起こせば、去年4月、オバマ大統領は、 「核兵器のない世界」の実現に向けた画期的 とも言える演説で世界に期待を抱かせました。 これが評価されて、去年のノーベル平和賞を 受賞しました。しかも、今年4月には「核戦 略体制の見直し」を発表していた矢先でした。 この核実験に対し、被爆地・広島の平和公園 で、被爆者団体の広島県原水協などの抗議の 座り込みには、約50人が参加し、臨界前核 実験を行ったアメリカのオバマ大統領に対し、 「核大国の身勝手な行為」と非難しましたが、 大きくは報道されませんでした。 これが、矛盾に満ちた世界の現実です。 そして、NHKスペシャル「私たちは核兵器 を作った」(12月19日)を観たのでした。 アメリカは老朽化した核兵器施設の解体と汚 染除去を始めたので、秘密のベールに包まれ てきた核兵器工場の労働者たちのなまの声を 収録したものです。 なかでも、コロラド州ロッキーフラッツ実験 施設解体で解雇されたが従業員たちは、深刻 な健康障害を起こしていて、高額の医療費が かかります。 医療補償を得るには、被害の証明をする必要 があるのですが、すでに勤務データは失われ ていて、補償金はもらえませんでた。 「国はわたしが思うほど、わたしたちを思っ てくれない」とうなだれる元女性従業員。 残念ながら、いつの時代でも、どんな国でも、 「国は、国民が国を思っているほどに、国民 のことを思ってはいないのです」。 歴史が証言しています。最終的に自分を守る のは、教育しかないのです。
二つの教育方式が併存しない国は衰退する
一国の教育には、ボトムアップ教育(底上げ 教育)とプルアップ教育(吊上げ教育)が併 存することが必要だと、石角完爾さんは確信 している。 いずれか一方では、その国は、早晩、成長を 止め、衰退していく原因になると考えている。 成長過程の国、これからキャッチアップしな ければならない国においては、ボトムアップ 教育が中心になる。 フィリップ・コトラー、ノースウエスタン大 学教授の名著では、ここでいうボトムアップ 教育をマス・エデュケーションと呼んでいる。 「The marketing of Nations; Strategic  Approach to Building Natoinal Wealth (Free Press 刊 一九九七年、一二一頁)」 ある国が、成長を遂げ、産業化を遂げ、国民 所得が一定レベルを超え、巡航速度に移った 場合には、どちらかというと、プルアップ教 育(同教授の言うダイバシファイド・エデュ ケーション)に重点を移さなくてはならない。 国が、減速しないため、衰退しないためには、 社会のエリート指導者を常に一定割合で輩出 し、そのエリートたちが旗艦となって、船団 を間違いのない航路に進めなくてはならない からである。 二つの教育方式が、絶妙のバランスをとり、 何百年も併存している国がある。イギリスで ある。そしてそれを受け継いで発展させたの がアメリカである。イギリスとアメリカは、 アングロサクソンユダヤ文化圏の二大国で ある。
対象的な、日本とインドの教育方式
日本はボトムアップ教育に全力を投入し、先 進国にキャッチアップし、大衆消費品市場型 国家として急成長したが、いまだに、その教 育方式しか行われていないので、衰退に向か うのも早い。いま、旗艦不在の迷える船団と なっているのある。 一方、インドはボトムアップ教育をないがし ろにして、プルアップ教育に偏在したため、 エリートは輩出するが、エリートが引っ張っ ていくべき一定水準の大衆(マス)が存在し ない(前述コトラ著、一二一頁)。船団のな い旗艦だけでは、国力にならない(しかし、 そのインドも変わりつつある)。 アメリカのパワーというのはは、このプルア ップ教育の引っ張り効果が、絶妙に力を発揮 しているからこそ、生み出されていることに、 我々日本人は気づかなくてはいけない。 ファイナンシャル・クライシスでアメリカは つまずいたが、それで日本が勝ったような勘 違いをしてはいけない。 たしかに、アメリカのボトムアップ教育は、 学級崩懐、学校崩壊、暴力、セックス、ドラ ッグ等の問題を抱えているが、これは、政府 が行うところのボトムアップ教育に、当然の ようにつきまとう問題であって、形こそ違っ ても、日本の学校教育においても見られる現 象である。(注1) 欧米や日本のように巡航速度に達した国では、 ボトムアップ教育は、それぞれ深刻な問題を 抱えながら推移していくものであり、それを 抜本改革しようとしても効果が薄く、底の部 分を受け持つところのボトムアップ教育の役 割から考えると、これを、あれやこれや、い じらないほうがいい。 むしろ、国が巡航速度に到達した後に必要と されるプルアップ教育(旗艦)が不在なため に、航路を誤り、しまいには船団全部が氷山 に衝突してしまうという問題のほうが、より 深刻なのである。 じつは、ボトムアップ教育方式しかない戦後 の日本は、この問題を抱えたままなのである。 いや、この問題ゆえにこそ、日本は、今、滅 びようとしている。(注2) (注1) アメリカのボトムアップ教育の質の低下については、 The Conspiracy of Ignorance, The Failure of American Public Schools (Martin L. Gross 著、Perennial 刊) に詳しい。 クリトン元大統領は、大統領として公立高校教育、ボトムアップ教育の 改革を唱えながら、自分の一人娘チェルシーにはその道を歩ませずに、 シッドウェル・フレンズ・スクールという私立のプレップスクール(ボ ーディングスクールではなくデイスクール。ワシントンDCにあり、授 業料が高額なことで知らる)に送りこみ、その後チェルシーは一九九八 年、スタンフォード大学に進学した。この辺りの事については、前掲書 一五〇頁にある。 (注2) 教育改革国民会議(→wikipedia:教育改革国民会議)が、日本の教育の あり方を考えようようとしたが、ボトムアップ教育にプルアップ教育の 要素(能力別学級制、飛び級制など)を加味しよううとする試みは、か えって底割れ(ボトム崩壊)の危険を招く。二つの教育は水と油、混ぜ てはいけない。別々の存在しなくては両方がだめになる。 (続く) (M139-52)

アメリカのスーパーエリート教育』(17)

[改訂版]アメリカのスーパーエリート教育
・単行本: 354ページ ・出版社: ジャパンタイムズ; 改訂版版 (2010/9/25) アメリカのエリートを輩出する『ボーディングスクール』を紹介した 同書が新たな情報を加えて全面改訂。理想的な教育システムを持ち、 アメリカのエリート層の供給源となっているボーディングスクール (私立の全寮制中学・高校)への留学のすすめ。 徹底した個別教育で生徒の能力と才能を最大限に伸ばすとともに規律、 リーダーシップ、社会奉仕精神など人物教育にも大きな比重が置かれ ている。 創造力もモラルもない受験エリートが日本を没落に導いている。革新 的なアイデアを個人の力で生み出す独創力とリーダーシップ、さらに 社会奉仕精神を兼ね備えた真のエリート、スーパーエリートとはどの ような教育から生まれるのか。 ◇目次 ・アメリカパワーの源泉は教育にある ・ボーディングスクールとは何か  ・なぜボーディングスクールなのか ・生徒の能力を引き出すシステム  ・ボーディングスクールの教育システム  ・ボーディングスクールの世界戦略   ・日本人留学生の生の声  などを掲載
[改訂版]アメリカのスーパーエリート教育

[改訂版]アメリカのスーパーエリート教育

石角完爾 - Wikipedia
京都府出身。京都大学法学部を首席で卒業。在学中に国家公務員上級試験 (現・I種試験)、司法試験に合格。通商産業省(現・経済産業省)を経て、 ハーバード・ロースクールペンシルベニア大学ロースクールを卒業。ニュ ーヨークの法律事務所シャーマン・アンド・スターリングを経て、1981年に 千代田国際経営法律事務所を開設。 2002年にアメリカの教育コンサルタントの公認資格を取得。イギリスおよび アメリカを中心に教育コンサルタントとして、世界中のボーディングスクー ルの調査・研究を行っている。イギリス在住。 石角完爾 - Wikipedia
Chiyoda Kokusai | About the Author
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The Conspiracy of Ignorance: The Failure of American Public Schools [ハードカバー]
In this global age of information, nothing should alarm American parents and leaders more than the failure of our public schools. As quality education of the young becomes the true international currency, that commodity--unfortunately--is in grievously short supply. American schoolchildren lag far behind students in most of the developed world, scoring nineteenth out of twenty-one countries in a recent math competition. On domestic exams, almost forty percent are reading at "below basic" levels. ・ハードカバー: 304ページ ・出版社: HarperCollins (1999/9/1)
The Conspiracy of Ignorance: The Failure of American Public Schools

The Conspiracy of Ignorance: The Failure of American Public Schools

≪都会歳時記≫

[都市・現代の視座1000句]句集 古家 元「文學の森」刊]
〔冬〕動物 神宮の一樹の秀たり寒鴉
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≫平成万葉集

読売新聞社 (編集)、「万葉のこころを未来へ」推進委員会 (編集)
さらさらとさらさらと降る雪の音少女の頃の妻の足音
鈴木蝶次(74歳)宮城県 平成万葉集

◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆

アンブローズ ビアス (著)、Ambrose Bierce (原著)、西川 正身 (翻訳)
大胆不敵(daring n.)
安全無事な立場にある人に見られる最も美しい特質の一つ。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)

☆☆ヨーロッパ古城巡り☆☆ フランス

Le Chateau de Belvoir
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